ある夏の午後、僕は父と一緒に猫を海岸に棄てに行った。 語られることのなかった父の経験を引き継ぎ、たどり、自らのルーツを綴る。 面白かった。 お父さんは住職の息子だったのだな。 浄土宗らしい。 南無阿弥陀仏。 京都は空襲を受けなかっ…
日常の色々
ある夏の午後、僕は父と一緒に猫を海岸に棄てに行った。 語られることのなかった父の経験を引き継ぎ、たどり、自らのルーツを綴る。 面白かった。 お父さんは住職の息子だったのだな。 浄土宗らしい。 南無阿弥陀仏。 京都は空襲を受けなかっ…
数千年の人類の全歴史を酒場の家族の一夜の夢に圧縮した抱腹絶倒、複雑怪奇な傑作の幕開きとの事。暖かくなってきて何かをしたくなる時期である。本書を手に取って読んだ。猥褻な文が多い印象だったなw読みにくいかと思ったが分かりやすかった。作…
ユーモアとウィットの糖衣の中にブラックユーモアの風刺を隠した著者の短編集。海外ではよく親しまれている作家らしい。第一次世界大戦で戦死したとの事。戦争はよくない。「平和的玩具」、「運命」、「おせっかい」などどれも面白かった。甲では主…
1960年代、ロラン・バルトの薫陶を受け、ポストモダニズムの金字塔の書物を世に問い、忽然と行方をくらました謎の思想家アンリ・マンソンジュ。Peggy_Marco / Pixabayhttps://pixabay.com/photo…
有名な小説。高校生の時読んだ風を思い出した。砂丘へ出かけた男が砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。脱出を試みる男、ひきとめておこうとする女。サスペンスあふれる展開の物語だ。ラストが印象的だ。僕の所感を書いていく。共同体に…
2068年、Googleを頂点とするデジタル企業が個人情報を収集し管理している。許諾する見返りに報酬が得られ、ベーシックインカムが成立している。しかし、主人公は不老不死を可能とするエンドレス・プログラムの準備を進めていた。彼女は宇…
20世紀を代表するドイツ最大の教養小説。いとこと一緒にサナトリウムに入った主人公と人との関わりが描かれる。僕は魔の山と言うのは一度入ったら出るのが難しい療養所のことだろうと思っている。僕は入院してのんびりしたいと言う願望がある。し…
首都テレビ報道局のニュース番組で映像編集を担う主人公は、モンタージュで刺激的な映像を作り出す。彼女を待ち受けていたのは自ら仕掛けた視覚の罠だった。郵政民営化以前の話で郵政省をめぐる事件が描かれる。郵政省がNTT、放送局も管理してい…
作者の晩年の思想をよく表した作品。福音書に伝えられているキリストの教えに従って生きよという考えを説いている。学生時代を懐かしんだ。プロローグの閑人たちの会話も印象に残る。今まで一言も口を聞かなかった客の言う事はもっともだと思った。…
一家殺害事件でひとり生き残った主人公は大学生に成長する。そこで加害者にも同じ年の娘がいたことを知る。正体を隠し、彼女はその女性に会うという話。サスペンスミステリーという事でドキドキしながら読んだ。犯罪は被害者は勿論の事、加害者家族…
著者の代表作。始まりは1805年夏、ペテルブルグでの夜会。全ヨーロッパ秩序の再編を狙うナポレオンとの戦争(祖国戦争)の時代が舞台。当時のロシアの人びとの姿を描いた作品。本書を読んでの僕の感想は歴史は偶然の積み重ねであるという事だ。…
青年の稚気vs.老人の狡猾さ。ぼやく祖父の願いをかなえようと、孫の健斗はある計画を思いつくという話。謎の生物が登場する。あれはネズミだろう。僕は早朝の新宿で飲食店のゴミを漁るネズミを見た事がある。知り合いの家にもネズミが出ると言っ…
有名な小説家の作品。ノーベル賞受賞者との事。昔見た映画に登場していたな。本書は新訳版である。メキシコでカジキマグロの漁師をしている老人。不運続きで一人漁に出た。巨大なカジキが獲物に食らいつき、3日間に渡る壮絶な闘いとなる。最後の観…