統計でウソをつく法―数式を使わない統計学入門
新聞や雑誌、書籍、広告などメディアに出てくる統計というものは疑ってかかったほうがいいというようなことが書かれている本。
全10章で、サンプリング、平均、グラフ、相関関係などなどに気をつけたほうがいいと述べられている。
最後の章には統計のウソを見破る5つのカギというものが書かれていた。
この本を読んでみて、僕自身勉強になった。
世論調査とか会社の平均賃金とか広告の数字だとかはそれほど信頼できるものではないんだなぁ。
例えば、世論調査で電話アンケートをしたとしても、電話が何曜日の何時にかかってくるかは分からないからな。
昼間家にいない人や、逆に夜間家にいない人はどうなるんだろうか?
平日家にいない人とか、逆に休日家にいない人もいるかもしれないし…
と思ったが、最近では携帯電話にも電話をかけたり、何回も電話して出てもらうようにしたりしているらしい。
な~んだ。
でも、回答者が質問者から良く思われたいために本心とは違う答えを言う場合もあるという。
そういえば、この前のアメリカの大統領選挙でも前評判ではクリントンさんが勝つみたいに言われていたけど、結局トランプさんが勝った。
やっぱり世論調査も偏っているみたいだ。
平均については、それが算術平均なのか、中央値なのか、最頻値なのかに気をつけないといけないという。
そして広告などでも少ないサンプルを使っていたり、こじつけた数字というものがあるらしい。
あと、個人的におもしろかったのは、1924年度のエール大学卒業生の年間平均所得についての例だ。
この調査に回答したのは100%の人ではなく、何%かの人たちであろうと著者は言う。
さらに、回答しなかったり、そもそも住所が不明で調査できなかった人たちはおおかた自慢できるほどの収入がない人たちと考えてよいと著者は言うw
住所のわからない名前というのは、そうではなくて、学士になって二十五年以上たっても、輝かしい仕事を何も成しとげていない人たちと考えてよいのである。
(p.18)
これはちょっとひどいが、確かにそうかもなと僕は思った。
平均所得を下げそうな人たちははじめからサンプルに入っていなかったらしい。
今度からは僕も、この本で学んだ新しい視点で統計データを見てみようと思った。