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「空気」の研究

「空気」の研究

山本 七平 (著)
文藝春秋 (出版社) / 文春文庫
1983年10月25日 (発売日)
Kindle版 (フォーマット)

日本社会を考察した本なのかな。
超ロングセラーな本らしい。
ちょっと難しい感じだけど、おもしろかった。

よく空気を読めなどと言うが、日本には「空気」という妖怪がいるというのだ。
空気に支配されると、対象を臨在感的に把握して絶対化してしまうという。
臨在感的把握とは、物質の背後に何かが臨在していると感じ、知らず知らず影響を受けることみたい。
何でもかんでも無意識的に感情移入して絶対視してしまうということかしら。

それに対して、現実的な「水」というものがあり、空気に水を差すと、空気は崩壊して通常の状態になるらしい。
しかし、日本の現実社会は日本的儒教という独自の体制が醸成されており、水と空気は相互に絡まりあっている。
そのため「自由」と「個人」は排除されてしまうとか。

最近思うけども、日本というのは結構変わった国みたいだな。
学生時代、就職活動をしていた頃からなんとなく違和感を持っていたけども。
世界的に見て珍しい国なのではないだろうか。
著者の言うように「空気」と「水」は日本的世界の精神生活に必要なものなのだろう。
良い面はあると思うが、一方現在の日本は国の財政、少子高齢化など問題も山積みなわけで。
やっぱり「創造」というのがキーワードなのかしら。
一人一人が意識して、少しずつ創造し進んでいかないといけないなぁ。

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