空の怪物アグイー
ブラックな短編集だと思った。
紹介では、60年安保以後、その大きな影響下に書かれた”現代の恐怖”にかかわる一連の作品が収められているとあった。
読んでいると少し強引な話の流れという気もしたが怖いな。
解説によると著者が二十代後半の頃書かれたらしい。
最初の短編で取り上げられていたのはジョルジュ・デ・キリコの「通りの神秘と憂愁」という絵画だろう。
表題作で言及されていたウィリアム・ブレイクの絵は「悪魔の饗応を拒絶したもうキリスト(Christ Refusing the Banquet Offered by Satan)」と「歌い和する暁の星(When the Morning Stars Sang Together)」というものか。
同じくサルバドール・ダリの絵は「Inaugural Gooseflesh(シュルレアリスム的コンポジションー発生的鳥肌)」かしら?
表題作はいまいち。