【カラー版】アヘン王国潜入記
1995年に、ミャンマー北部、反政府ゲリラの支配区・ワ州で7ヶ月暮らしたという著者のルポルタージュ。
そこはゴールデン・トライアングルと呼ばれるアヘンの麻薬地帯だという。
著者は小さな村に暮らし、ケシ栽培に従事する。
この著者の本にはどこかコミカルな印象を持っていた僕だが、本書は真面目な内容だった。
(まぁ、後半部分で著者がアヘン中毒になりかけていたりしたが…)
「招き猫」敬礼をする村人たちとの別れの場面にはウルっとくるものがあった。
文庫版あとがきで、著者はこの本が自分の「背骨」と呼ぶべき仕事であると言う。
また、あとがきでは調査・取材、執筆は7年に及んだと書かれていた。
すごいものだ。
著者がお世話になった方で鬼籍に入られた方たちもいるという。
高野氏自身もマラリアに罹ったり、命の危険を感じる場面に何度も遭遇する。
あらためて、本書の重みを感じられる。
本書を読んで、アジアに住んではいるが、僕はアジアのことを全然知らないなと思った。
各国には様々な歴史的背景があり、現在も複雑な事情を抱えているのだなぁ。