SNOOPY COMIC SELECTION 70’s
新聞に掲載された漫画、PEANUTSのセレクションだ。
本書は70年代のものである。
面白かった。
スヌーピーの変装が記憶に残る。
笑った。
僕はセリエAのサッカー選手キン・スピードに変装する。
チャンピオンズリーグ出場をかけた一戦で途中出場したキン・スピード。
中盤でボールを持つと、エンジンと化し相手を跳ね飛ばしていく。
40mからのロングシュートがクロスバーに当たるも、自ら持ち込んでのツインシュート。
これが決勝点になった。
(p.24)
スヌーピーの隣の家の猫、World War IIだ。
ウクライナ戦争から明日で一年が経つ。
第二次大戦後の大きな戦争だ。
早く平和になる事を祈るばかりだ。
ウクライナと共に。
勝利の女神が微笑むだろう。
戦乙女もカツレツを手に取る。
話は変わるが、もう一度、小説の人物、滝三刈氏に登場してもらおう。
滝三刈氏は小さなカフェで読書をしている。
傍らにはノートパソコンを持ち、仕事中なのかもしれない。
トートバッグの中にはサングラスとマフラーが入っている。
うら寒いが店内は暖かく、けだるげな午後である。
ルートビア片手に世を謳歌している。
「えええ。
ホンダが新型サイドミラーを発売だって。」
その時、泥怪人の素っ頓狂な声が響いた。
滝三刈氏は席を立ち上がるとポカッと頭を殴りつけた。
「いてて。
何するんですか。」
「無遠慮なスポークスマンか。
それともお前はとんまな笠地蔵飛行隊か?」
相手は滝三刈氏のテーブルを見ると、サッと表情を変えた。
「あっしは白色のオートバックスを自負しています。
誹謗を詰られる謂れはない!」
滝三刈氏はあっけに取られると、ガクッと席に座り込んだ。
「うるさい!
デンソーのQRコードも知らないフナムシめが!
EV気取りの野蛮な無能な根菜野郎に過ぎないんだろ!
お前のような奴はおでん屋で巾着でも食ってろ!」
「何おう。やるか。」
滝三刈氏はわなわなと震え始めた。
滝三刈氏は座っていた席を倒すと居丈高に飛びかかった。
バタバタと取っ組み合いの音がする。
五分後、勝利を収めた滝三刈氏はそそくさと店を後にした。
「くそッ。
病院はあるし、保険も存在する。
ホンダのカブよりサラダのラディッシュの方が遥かにマシだ。
PHEVは時代の愛児とはならなかったかもしれないが、確かに下り道で歯車を押した。」
滝三刈氏はパソコンをしまったいつものトートバッグを握りしめていた。
その手は震えている。
店内では置き忘れられた本が存在していた。
タイトルは「さようなら、ギャングたち」。