なんとなくこの著者の作品を読んでみた。新日本風土記というテレビ番組の「雪の夜」を見たことがあるが、そこで登場した新潟の風景が思い起こされた。番組では、江戸時代の名著であるという鈴木牧之さんの北越雪譜などが紹介されていたのだが、本作…
日常の色々
なんとなくこの著者の作品を読んでみた。新日本風土記というテレビ番組の「雪の夜」を見たことがあるが、そこで登場した新潟の風景が思い起こされた。番組では、江戸時代の名著であるという鈴木牧之さんの北越雪譜などが紹介されていたのだが、本作…
所謂、命終3部作が収録された短編集だという。著者は千家元麿さんという詩人に師事していたそうで、千家さんの作品と思い出から師について読み解く作品が2作、あと著者の私小説が4作載っていた。淡々とした中に作者の人生の喜びと悲しみが感じら…
映画化もされたというミステリー小説。理想の家族に見えた一家が事件に巻き込まれる。隣人、友人らが語るエピソードを通して浮かび上がる彼らの人となり。そして事件の真相は…読みやすくて僕は一気に読んだ。著者が描く人間関係のドロドロ感という…
5年余りの綿密な取材をもとに書かれたノンフィクション・ノヴェルだという。600ページくらいでボリュームがあった。アメリカのカンザス州で実際に起きた殺人事件について書かれている。どんどんエスカレートしていく犯人たちの行動が怖かった。…
現代アメリカの実力派作家の作品だという本小説。3章から成っていて、ニューヨークの過去、現在、未来が描かれている。幽霊物語?、スリラー、SFとそれぞれのジャンルも多彩だ。どれも甲乙つけがたい…本書は9.11以後の悩めるアメリカが生ん…
なんとなくこの小説を読み返した。通常の論理的な一貫性が失われている男ムルソーを主人公に、不条理の認識を追求した作品だという。読んでいると、僕はムルソーに感情移入しちゃって彼がそんなにひどい人間だとは思えないのだけどな。彼が自分の行…
ラストが印象的なミステリー小説。理解不能な事件の真相を探る主人公がたどり着いた真実とは…仁藤氏みたいな人が自分の周りにいたら確かにこわい。あと、「三ツ沢氏はチキンだなぁ、すぐ警察に電話すればいいのに。。」と僕ははじめ思ったが、一概…
6篇の作品が収録された短編集。全体的にリアルなのかリアルじゃないのかよく分からない幻想的な感じ。そしてアダルト的描写が多い気がする。僕がおもしろかったのは表題作かな。本書に収められている「ねじまき鳥と火曜日の女たち」という作品は「…
孤島の密室を舞台にしたミステリー小説。気になってこの著者の作品を読んでみた。本書は犀川創平と西之園萌絵が活躍するシリーズの第一作で、このシリーズは全十作らしい。また、その他にも多くの作品を執筆しているみたいだな。著者が工学部の先生…
著者が9・11を、初めて、小説の大きな要素として描いた作品みたい。巻末の訳者あとがきを読むと、著者はニューヨークのブルックリン在住ということで、事件から受けた衝撃が大きかったことが想像できる。僕は知らなかったが、その後のアメリカで…
6短編が収められた作品集。著者は日本人で2人目のノーベル文学賞受賞者なのだな。江藤淳氏の巻末の解説によると、「死者の奢り」は著者の文壇的最初の作品で、「飼育」では芥川賞を受賞したらしい。これらの作品を通じての一貫した主題は、”監禁…
6編の作品が集められた短編集。SF、ミステリー、ホラーといった多彩な内容だった。僕が面白かったのは、本書のタイトルにもなっている「アメリカの壁」と「幽霊屋敷」という作品かな。アメリカの壁は、ベトナム戦争後の物語である。アメリカが白…
著者の7つの短編が集められた本。高校生くらいの時に読んだことがあったが、再び読み返した。 レキシントンの幽霊---友人の古い屋敷で留守番をする主人公の不思議な体験 緑色の獣---椎の木の根元から突然現われた緑色の獣のかわいそうな運…