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日常の色々

「日本の小説」に関する記事

新しい人よ眼ざめよ

詩を媒介にして描いた連作短編集との事。日本文学の最高傑作という向きもあるらしい。作品の背後に死の定義を沈め、家族とのなにげない日常を瑞々しい筆致で表出しながら、過去と未来を展望して危機の時代の人間の再生を希求したという。興味深かっ…

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ベティさんの庭

5つの短編が収められた作品。少しボリュームがある。表題作が印象的だ。オーストラリアで戦争花嫁となったベティさんは船員たちとパーティーを開く事に熱中する。そのうち、切々たる望郷の念を描くベティさんの生活に変化が起きるのだったという物…

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しんせかい

主人公は谷にある俳優と脚本家の養成学校に入る。時間の流れが独特と感じた。解説では夢の時間であると書かれていたな。わらび座を思い出した。わらび座とは集団生活を送っていた劇団だ。地ビールが有名だった。それがコロナの影響で倒産したのだ。…

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七瀬ふたたび

本屋さんで偶然手に取った本書を読んでみた。興味関心はほとんどないのだが、昔、木曜の怪談という番組でドラマが放送されていた思い出がある。パラパラと読んだ。超能力を持った主人公たちが世間との軋轢?によって破滅する物語かな。僕的には男性…

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半減期を祝って

3編の短編が収められた本。どれも興味深かった。絶筆だという表題作はけっこう衝撃的だ。あり得べき30年後の二ホンの姿かぁ。アメリカでは、文学が9.11をテーマとして様々な作品を生み出しているようだ。僕は知らなかったのだが、日本でも3…

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夜行

10年前に姿を消した1人の友人。再び集まった主人公たちは旅先で出会った不思議な体験を語りだす。とある画家が描いた連作絵画「夜行」がそこには関わっているらしいのだが…という話。ところどころ怖かったが、まぁあくまでフィクションだし。リ…

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光の領分

夫と別居している若い女親のゆれ動き、不安を短編連作で表した作品らしい。どの方角にも窓がある明るい部屋での1年間の物語。日当たり良好でいいものだ。パラパラと読んだが、世間の男女関係はやっかいで大変だなと思った。僕にはあまり馴染みがな…

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雪国

なんとなくこの著者の作品を読んでみた。新日本風土記というテレビ番組の「雪の夜」を見たことがあるが、そこで登場した新潟の風景が思い起こされた。番組では、江戸時代の名著であるという鈴木牧之さんの北越雪譜などが紹介されていたのだが、本作…

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愚行録

映画化もされたというミステリー小説。理想の家族に見えた一家が事件に巻き込まれる。隣人、友人らが語るエピソードを通して浮かび上がる彼らの人となり。そして事件の真相は…読みやすくて僕は一気に読んだ。著者が描く人間関係のドロドロ感という…

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