第四間氷期
SF小説らしい。
書かれたのは1959年とのこと。
予言機械というものができて、とある男の未来を全て予言させようとする。
ところが男が事件に巻き込まれて… という話。
突然、水棲哺乳動物について語られた時はびっくりしたが、タイトルの意味と結びついていたんだな。
間氷期とは気候が温暖な時期のことを言うみたい。
著者は、日常的連続感から断絶して現れる未来について描きたかったようだ。
未来とは断絶の向こうに、「もの」のように現れたひとつの未来社会にほかならないのだとのこと。
本来的に残酷なものであり、現代の我々がユートピアとか地獄だとかと言って未来を裁くことはできないという。
逆に、未来が現在を裁くものととらえたらしい。
そうならば、未来を変えようとするよりも、未来にいかに順応するべきかを考えたほうがいいのかもしれない。
主人公が抵抗して奮闘して未来を変えるという話はよくあるけど、本書では、未来が主人公を押し潰してしまった。
ひとつの日常的連続感の死だという。
未来には何が起こるか分からないから、僕も日常にまどろんでいてはいけないのかもなと思った。