大和古寺風物誌
飛鳥時代から奈良時代にかけての飛鳥・白鳳・天平文化。
本書はその古寺、仏像などを巡る歴史、宗教、美術書であり、旅行記でもあるとのこと。
おもに昭和12年から昭和17年頃にかけて書かれたみたいだ。
難しい部分もあったが勉強になった。
飛鳥時代といえば聖徳太子。
著者は聖徳太子に思慕の念を抱いているのだ。
太子はすごい。
斑鳩宮-書簡という章では、博物館と無智について著者の考察が述べられる。
博物館的に事物を比較鑑賞し、知性をもって捉えるのでなく、ただ無智に帰依すること拝むことが必要ではないかという。
仏像というのは鑑賞するものでなく拝むものか。
そういう視点は大事だな。
中宮寺-微笑についてという章も印象に残った。
著者が思想について考察している。
他人の思想を真似するのでなく、稚拙でも自ら額に汗して得た思想が欲しいと著者は言う。
僕は本などで得た他人の思想を振りかざしていないだろうか… と考えさせられた。