東京奇譚集
5つの作品が収められている短編集。
オカルトチックな物語が多かった。
作者は超自然的な現象にも関心があるのかなと思った。
著者の他の作品をあまり読んだことがないのでよくは分からないが。
僕は超自然的現象をあまり信じないけれども、興味はあるので本書を楽しく読んだ。
マサチューセッツ州ケンブリッジ、ハワイ、恵比寿-代官山などが舞台になっていておしゃれな感じですね。
「日々移動する腎臓のかたちをした石」の、最後あたりの文章が印象的だったかな。
大事なのは誰か一人をそっくり受容しようという気持ちなんだ、と彼は理解する。そしてそれは常に最初であり、常に最終でなくてはならないのだ。
(日々移動する腎臓のかたちをした石 p.179-180)
確かに、愛とはそういうことだなぁ。
僕などはいつも一途だから、この考えはしっくりくる。
あとは”腎臓のかたちをした石”というものが何の比喩なのかよく分からなかったです。