怖い絵
恐怖をテーマにしてベストセラーになった怖い絵シリーズ。
これまで恐怖とは無縁と思われていた作品が、思いもよらない怖さを忍ばせているという驚きと知的興奮を伝えている。
昨年は「怖い絵展」という展覧会も開かれたらしい。
本書で僕が怖いと思ったのは以下の作品などかな。
- ラ・トゥール-「いかさま師」
- ゴヤ-「我が子を喰らうサトゥルヌス」
- ベーコン-「ベラスケス<教皇インノケンティウス十世像>による習作」
- ルドン-「キュクロプス」
- グリューネヴァルト-「イーゼンハイムの祭壇画」
ゴヤ、ベーコン、ルドンの作品は、作品の背景を知らなくても一目見ただけで怖さ、不気味さが感じられた。
また、著者の解説を読んでさらによく作品について知ることができた。
一方、ラ・トゥールとグリューネヴァルトの作品は、一見したところ僕はそんなに怖いとは思わなかったが(後者はけっこう恐ろしいけども)、説明を読んだら怖くなってきた。
特にグリューネヴァルト作「イーゼンハイムの祭壇画」は、聖アントニウス病という観点から見ると凄味が増すのだな…