夏への扉
海外の作家のSF作品。
主人公のダニエル・ブーン・デイヴィス(ダン)は機械工学の学位を持った技術者で、親友のマイルズと恋人のベルといっしょに会社を運営していた。
だが、友人と婚約までした彼女の2人に裏切られて会社を乗っ取られてしまう。
絶望した主人公は、30年間の冷凍睡眠(コールドスリープ)をして2000年に目覚めることにするかと考える。
そこからストーリーが動き出していく・・・
SFだが、僕の印象ではけっこう読みやすかった。
最後もハッピーエンドだし、良かったな。
いろいろと印象に残ったこともあった。
主人公が技術者として語る場面がその1つだ。
技術者は数理物理学者である必要はなく、実際面に応用できる程度に表面をかすめておけば用は足りるとか。
あとは工業技術というものはなによりも現在に即した技術であり、一人の技術者の才能よりはその時代の技術水準一般に負うことが多いとか。
そういうものかもしれないな。
他に、面白かったのは主人公がトウィッチェル博士(トウィッチ博士)を挑発する場面だ。
「あんたの論文は、あれは発禁になったのでもなんでもない、役に立たん屑論文をつっこむファイルに綴じこまれたんですよ。
そして、国防省の連中が、時々引っ張り出しちゃおもしろがってまわし読みしてるんだ」
(9章、電子書籍のためページ数不明)
この後も主人公がトウィッチ博士をバカにする。
これには笑ったw
ちゃんと「埋もれた天才」という本を出版してあげないといけないな。
また、ジョン・サットンからの手紙には感動した。
ジョンみたいないい人に巡り合えて、主人公は運が良かった。
最後に、猫のピートを長期の冷凍睡眠に送らなければならないと言っているのは、ピートが死んでしまうということかな?
それとも、将来寿命をのばす治療ができるまで、眠らせておくということだろうか。
ピートが夏への扉を発見できるといいと僕は思った。