菊池 聡 (著)
講談社 (出版社) / ブルーバックス
1998年9月20日 (発売日)
Kindle版 (フォーマット)
大学の先生である著者が、認知心理学の立場から、「体験」によって超常現象を信じることの不確実さについて書いた本。
人の認知を「知覚」、「記憶」、「思考」の3段階に分け、それぞれの段階でバイアスがかかり、エラーが生じるということが述べられていく。
「知覚」ではスキーマや知覚の恒常性がエラーを引き起こす。
「記憶」ではスキーマの影響や情報のソースが分からなくなることによって、偽りの記憶への変容が生じるという。
「思考」では確証バイアスという、仮説を正事例で検証しようとする傾向が推論のバイアスとなるらしい。
他にも偶然性や認知の省エネなどについて書かれていた。
誤認識しないためには、自分を客観視するメタ認知やクリティカルシンキング(批判的思考)が大事だとのこと。
僕も思考の際に、自分や周りの人の体験を重要視する傾向があるかもなと思った。
4分割表のことや、実は頻繁に起こる偶然のことなどを思い出して、誤認しないように気をつけないといけないな。
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