直感を裏切る数学 「思い込み」にだまされない数学的思考法
直感では間違えてしまうような数学の題材がいろいろ取り上げられている本。
僕の知らないことがたくさん載っていて、おもしろかった。
数学の本はあまり読んだことがなかったからな。
本書の内容は下のようなものだ。
- 第1章 直感を裏切るデータ
- 第2章 直感を裏切る確率
- 第3章 直感を裏切る図形
- 第4章 直感を裏切る論理
感覚的には章が進むにつれ、ちょっと難しくなっていったような気がしたが、僕は全体的になんとなくフィーリングで読み進んだ。
「シンプソンのパラドックス」、「ベイズの定理」、「コーシー分布」、「モンテカルロ法」、「ルーローの多角形」などなど他にもたくさん様々なテーマが載っていた。
僕が特におもしろかったのは、「ベンフォードの法則」、「バースデーパラドックス」、「ポアソン分布」、「アークサイン法則」、「四色問題」、「連続体仮設」とかかな。
ベンフォードの法則とは、いろいろなデータの数字は先頭桁の数字が1であるものが非常に多く、2、3、… 9と数字が大きくなるにしたがって頻度が下がるというものらしい。
不思議だな。
「一般化されたベンフォードの法則」は次式で表されるとか。
そして(1)式で、\(\alpha =1)のときが、「オリジナルのベンフォードの法則」だという。
ポアソン分布とは、互いに無関係な事象が固まって起きやすく、またしばらく起きないこともあるという分布らしい。
いろんな事故や天災にも当てはまるとか。
これも不思議だ。
あとは、数学には本質的に証明があまりに長く、人間には全体を理解できない証明も存在するということも書かれていた。
そして、否定も肯定も証明不可能な命題も存在するらしい。
しかし、数学者は前へ進み続けるという。
第4章の最後に書かれていた文章が印象的だった。
それでもなお、数学者が歩みを止めることはないでしょう。連続体仮設が示した、「否定も肯定も不可能な命題がある」という事実。これは、世紀の大難問に正面から立ち向かった、勇気と努力の結晶なのです。
(p.237)