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日常の色々

神田の戦い

この話はフィクションです。
時系列も変わっています。

弘多
突然ですが、滝三刈さんは牛丼はお好きですか?
滝三刈
はい。
よく食べます。
弘多
どこの店がお好きですか?
滝三刈
私は松屋ですかね。
牛丼とカレーも好みです。
弘多
そうですか。
いや、かつて日本で巻き起こった牛丼戦争について聞きたいんです。
滝三刈
牛丼戦争!
弘多
そうなんです。
吉野家、松屋、すき家、そしてなか卯までも巻き込んだ大戦争でしたよね。
滝三刈
おぼろげながら覚えています。
値下げ競争をしたんでしたっけ?
弘多
そうです。
シェアを奪い合うため各社が限界まで値下げをしました。
兵糧攻めと呼べますかね?
滝三刈
牛丼だけに兵糧攻めときましたね。
確かに牛丼はサラリーマンたちの味方、牛丼がないと大変な事になります。
値下げでは兵糧守りのような気もしますけれども。
弘多
そうなんです。
吉野家なんですよ。
2003年のBSE問題によるアメリカ産牛肉の輸入停止措置です。
滝三刈
ほう
弘多
松屋、すき家はアメリカ産牛肉からオーストラリア産牛肉の使用に踏み切りました。
ところが吉野家は牛丼販売の休止。
アメリカ産牛肉にこだわったんです。
弘多
そこで吉野家が目をつけたのが豚丼でした。
アメリカ産牛肉輸入再開まで豚丼でしのぎきろうとしたんです。
滝三刈
ふむ
弘多
そこで勃発したのが、2005年2月に起きた神田の戦いです。
牛丼の価格は360円台で推移していました。
そこで松屋が一杯330円に値下げをします。
まず追随したのが吉野家、負けじと吉野家も330円に値下げ。
すき家も翌週には価格を330円に下げました。
弘多
そこで吉野家は更なる値下げに手を出します。
一週間の牛丼270円キャンペーンです。
これはニュースでも大々的に報道されましたね。
滝三刈
覚えているかもしれません
弘多
松屋、すき家も負けじと値下げを敢行します。
結局、パイの食い合いとなってゼロサムゲームと呼べますかね?
滝三刈
牛丼だけにパイの食い合いときましたね。
確かに牛丼を分け合ったかもしれません。
食い合いではマスディバゲームのような気もしますけれども。
弘多
そうなんです。
豚丼なんですよ。
松屋の牛丼戦車師団、すき家の牛丼トッピング航空師団に囲まれた吉野家の豚丼歩兵師団。
神田で身動きがとれなくなりました。
滝三刈
弘多
牛丼の援軍が到着するまで何年も粘らなければならないのです。
まずは値下げを断行します。
一杯240円です。
さらに吉野家ブランドの味にこだわります。
商品開発に力を注ぎました。
私も食べた事があるんですけどね、美味しかったです。
滝三刈
私も食べたいです。
弘多
豚丼歩兵師団は多大な被害を受けながらも耐えきりました。
味方の牛丼連隊が神田に到着したのです。
豚丼歩兵師団は消費者の胃袋を守ったまま、牛丼連隊にシェアを譲渡することができました。
弘多
噂によると、豚丼スナイパー等が重要な働きをしたようです。
相手の牛丼歩兵部隊を押しとどめたという話。
滝三刈
戦車と戦闘機では!?
弘多
あとね、滝三刈さん。
吉野家の豚丼を食べるときは気を付けたほうがいいですよ。
滝三刈
どうしてですか?
弘多
戦争災害があったんです。
存亡をかけた戦いでした。
そういう話です。

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