Murs américains

小松 左京 (Rédigé par) Bungeishunju (Maison d’édition) / 文春文庫 1982年5月25日 (Date de sortie) Kindle Edition (Format) 6編の作品が集められた短編集。 SF、Mystère、ホラーといった多彩な内容だった僕が面白かったのは本書のタイトルにもなっている「アメリカの壁」と「幽霊屋敷」という作品かなアメリカの壁はベトナム戦争後の物語であるアメリカが白い霧の壁に完全に覆われ外部との接触が一切不可能になるというSF作品だ「アメリカはたった一国でも生きのびるだろう…」 国内で囁かれる静かなスローガンアメリカに閉じ込められた日本人の主人公は状況を不審に思い調査を始める… 2017年にトランプ大統領が誕生したことで本作が再び注目を浴びたという確かに壁というキーワードが登場するしトランプ大統領が標榜するアメリカ第一主義を予見していたかのような内容だったアメリカが内向き志向になることで却って超大国アメリカの世界に及ぼす影響の大きさというものを感じたな幽霊屋敷は巻末の解説によると著者お得意の消失ものだという山登りの最中突如として神隠しのように消えてしまった大学生その謎を探偵が探っていく途中けっこうこわかった

Argot britannique、Argot américain — — anglais avec Luke

ルーク・タニクリフ (Rédigé par) 研究社 (Maison d’édition) 2013年9月25日 (Date de sortie) Couverture rigide (Format) イギリス人の父とアメリカ人の母を持ちイギリスとアメリカの両方で暮らしたことがあるという著者。 Ce livre est、彼がイギリスとアメリカのスラングをテーマに書いた本だという知らないことばかりだったが分かりやすくて読みやすかったな著者は英語 with Lukeというブログもやっているようだ僕の印象に残った言葉は次のようなものかなcatch-22 downtown epic give it up for give me five LOL no worries see ya sweet などなどいくつかちょっと試しに使ってみようI went to downtown by airplane. You are so sweet! I give it up for you. I’m in a catch-22 situation now. LOL No worries, see ya! こんな感じかな特に意味はないです

Fantôme de Lexington

村上 春樹 (Rédigé par) Bungeishunju (Maison d’édition) / 文春文庫 1999年10月1日 (Date de sortie) Édition de poche (Format) 著者の7つの短編が集められた本高校生くらいの時に読んだことがあったが再び読み返した。 Fantôme de Lexington—友人の古い屋敷で留守番をする主人公の不思議な体験 緑色の獣椎の木の根元から突然現われた緑色の獣のかわいそうな運命 沈黙ハードな中高生時代を送った大沢さんの回想 氷男氷男と結婚した女性の話 トニー滝谷トニー滝谷の孤独な人生の話 七番目の男七番目の男が語る恐怖より怖いものとは… めくらやなぎと眠る女病院に行くいとこに付き添った主人公が8年前を追想する どの作品もふと考えさせられるような読後感でおもしろかったな

Enfants de Dieu après le séisme

村上 春樹 (Rédigé par) Shinchosha (Maison d’édition) / 新潮文庫 2002年2月28日 (Date de sortie) Édition de poche (Format) 1995年1月に起こった出来事とつながりを持つ6つの短編が収録された本高校生?の時に読んだ本書を読み返したもう内容を忘れているからな読んでみたら概してなんとなくアダルトな印象を受けたジャンルは幻想小説なのだろうか? 僕には表題作や巻末の作品がおもしろかったまたその他になかでも読みたかったのが「かえるくん東京を救う」という作品だ突然言葉を話す巨大な蛙であるかえるくんが主人公の前に現れて東京を救うためにみみずくんと闘うのを手伝ってほしいと言うこういうちょっとおかしなキャラクターに僕は関心がある本作のラストで主人公がかえるくんのことを語る場面は哀愁を感じた

東京奇譚集

村上 春樹 (Rédigé par) Shinchosha (Maison d’édition) / 新潮文庫 2007年11月28日 (Date de sortie) Édition de poche (Format) 5つの作品が収められている短編集オカルトチックな物語が多かった作者は超自然的な現象にも関心があるのかなと思った著者の他の作品をあまり読んだことがないのでよくは分からないが僕は超自然的現象をあまり信じないけれども興味はあるので本書を楽しく読んだマサチューセッツ州ケンブリッジハワイ恵比寿-代官山などが舞台になっていておしゃれな感じですね「日々移動する腎臓のかたちをした石」の最後あたりの文章が印象的だったかな大事なのは誰か一人をそっくり受容しようという気持ちなんだと彼は理解するそしてそれは常に最初であり常に最終でなくてはならないのだ(日々移動する腎臓のかたちをした石 p.179-180) 確かに愛とはそういうことだなぁ僕などはいつも一途だからこの考えはしっくりくるあとは”腎臓のかたちをした石”というものが何の比喩なのかよく分からなかったです

Jeunesse de Waseda Trias Ki

Hideyuki Takano (Rédigé par) Shueisha (Maison d’édition) / 集英社文庫 2003年10月22日 (Date de sortie) Kindle Edition (Format) 著者の自伝的小説。 1990年代の学生時代に三畳一間家賃月1万2千円のワセダのアパート「野々村荘」で暮らした約11年間の物語だという登場人物は野々村荘の住人や探検部の部員たちなど変わった人ばかりだ彼らのいろいろなエピソードが語られていておもしろかった後半ケンゾウさんとかケガワ君の話に少し悲哀を感じたがみな無事に野々村荘から旅立つことができてハッピーエンドかなそれにしても三畳間の狭くてプライバシーがないような場所で生活できるのはすごい学生の頃の僕は濃密な人間関係が苦手だったのでこういう青春は送れなかったろうなまぁ今になってはにぎやかで楽しそうであるとも思った

La mort n’est pas liée et la falaise

Kobo Abe (Rédigé par) Shinchosha (Maison d’édition) / 新潮文庫 1974年5月28日 (Date de sortie) Édition de poche (Format) 10編の話が収められた短編集巻末の解説によるとこれらは昭和32年から昭和39年の間に書かれたものらしい長編作品の「砂の女」「他人の顔」が発表された時期みたいだ「使者」という短編は「人間そっくり」という作品の基になったよう本書の全体的な印象としては解説にも書かれていたメビウスの輪のような同一・背反関係を感じた鏡像関係というか「箱男」で描かれていた見る立場と見られる立場の関係の逆転というか自己と他者の関係というか… そういうことが著者のテーマだったのかしら。 Le reste、僕がおもしろかったのは「時の崖」という作品かな試合中のボクサーの意識の流れを映画的手法で作品化したのだという崖っぷちボクサーの負けられないという切実な感情が伝わってくる臨場感があるなぁ

Carrière de romancier

森 博嗣 (Rédigé par) Shueisha (Maison d’édition) / 集英社新書 2010年6月22日 (Date de sortie) Kindle Edition (Format) 有名な小説家である著者が小説の書き方を述べる本著者は大学の建築学科の先生らしい二足のわらじを履いて仕事をしているわけですごいなぁ本書では小説家として仕事をする中で経験から考えたこと感じたこと出版業界のこととか心構え創作についてなど様々書かれていた自分の頭で物を考えるタイプの人らしく独特な考えだなと思うこともあったが読んで勉強になった人間の行為は自分の価値観と周囲の欲求のせめぎあいに常にさらされ、1つ1つの判断によって道筋が少しずつ決まっていくものという考えとかね。 Le reste、小説にはその世界をたった一人の人間が創りだしたという凄さがあるという考えとか僕はこの作者の作品を読んだことがないのだけれど興味が湧いてきたぞ~

Mangan

米澤 穂信 (Rédigé par) Shinchosha (Maison d’édition) / 新潮文庫 2017年7月28日 (Date de sortie) Édition de poche (Format) 装丁が気になって読んだ作品。 Si je repense、この表紙の写真は万灯なのかな著者は「氷菓」シリーズを書いた人だというアニメを見た友人から氷菓は気に入ると思うと勧められたのを覚えているそれで本著についてなのだがこれはおもしろいと感じた本作は「夜警」「死人宿」「柘榴」「万灯」「関守」「満願」の6篇が収められたミステリー短篇集だどの作品も引き込まれてワクワクしながら読んだし最後のオチでおおと思ったミステリーの国内ランキングで史上初の三冠を達成し有名な賞を受賞したというのがうなずけるなぁ… 読んでよかった僕が個人的に気に入ったのは「柘榴」「万灯」かしらどちらもラストが好きかもしれない柘榴で舞台となった雑司ヶ谷の鬼子母神堂の夏祭り?は僕も偶然に訪れたことがある提灯の明かりがきれいだったことを懐かしく思った。 Simplement、本書に登場する男性はダメ男が多くないかなw

崩れる 結婚にまつわる八つの風景

貫井 徳郎 (Rédigé par) Kadokawa Shoten(角川グループパブリッシング) (Maison d’édition) / 角川文庫 2011年3月25日 (Date de sortie) Édition de poche (Format) 「結婚」をテーマにした8つのミステリ短編集けっこう読みやすい僕的には「怯える」という作品がハッピーエンドでよかったすべてが悲しい誤解だったのだよ巻末には著者の自註解説が載っていたそれによると「憑かれる」という短編はわずか2日で書き上げられたのだというそんな短時間で作品を書けるものなんだなあ

Autour des arts et le livre d’art Museum 2016-2017.

BS日本 (Rédigé par) KADOKAWA/エンターブレイン (Maison d’édition) / (エンターブレインムック 2016年4月28日 (Date de sortie) Mook (Format) BS日テレで放送している番組の公式MOOK本。 2016年に開催された展覧会のベスト11全国にある50の美術・博物館の紹介などなどが載っていた。 2016年は若冲生誕300年日伊国交樹立150周年etcの記念すべき年だったようだそのため作品をいろいろ借りることができたのかなカラヴァッジョ展を見に行ったなぁ本書で紹介されていた全国の美術・博物館で僕が行ってみたいと思ったのは次のような所だいわき市立美術館(福島県)ポップアート 藤城清治美術館(栃木県)影絵 光の館(新潟県) 地中美術館(香川県) 由布院アルテジオ(大分県)音楽 楽しそうですな

Alliance de la faim

Kobo Abe (Rédigé par) Shinchosha (Maison d’édition) / 新潮文庫 2006年9月 (Date de sortie) Édition de poche (Format) 雪に閉ざされた小地方都市で疎外されたよそ者7人が”飢餓同盟”なる秘密結社を組織した地熱発電の開発で力を持ち絶対自由と一切の権力を否定するユートピアな世界をつくるというのだしかし彼らの計画は町長と土着のボスたち既存の支配者層にすっかり横取りされてしまう… 花井氏は無能だなぁというのが本書を読み終わった僕の感想だったメンバーを大事にせずやることは裏目に出る… しかし巻末の解説を読むときっちり出来上がった現体制に突破口を見つけるのは並大抵のことではないのだなとちょっと同情を覚えた。 Aussi、著者の作品の中心テーマがどんなに八方塞がりの状態でもどこかに突破の可能性を探ることであるとは知らなかったな解説を読むとためになる現実を前に夢が挫折することもあるのか僕にはまだ分からないがまぁがんばろう

Bouddhisme de la terre pure

町田 康 (Rédigé par)Kodansha Ltd., Tokyo (Maison d’édition) / 講談社文庫2008年6月13日 (Date de sortie)Édition de poche (Format) 奇想あふれる破天荒なる爆笑暴発の7つの短篇集とのこと僕はこの著者の作品を初めて読んだのだが独特な文章だと思った変わった人もいるものだちょっとブラックな内容が多かったが「自分の群像」という短編が僕はおもしろかったかなボンクラの同僚にむかつくOLの話だ優しさを持って人に接したいと思うが世間にはどうしようもない人もいるからなぁ…