伊坂幸太郎 集英社 / 集英社文庫 2015年6月26日 (Date de sortie) Livre électronique (Forme de délivrance) 心配性の著者の10年に渡るエッセイ。 僕は著者の本を初めて読んだのだが面白かった。 10年の間には震災も起こった。 作者は喫茶店でよく執筆をするみたいだ。 仙台というとFORUSがある。 買い物をしに行った思い出だ。 僕は初売りに行ったのだ。 人混みを避けて終了日近くに行った。 仙台から本屋が消えていっているらしい。 古本市場はどうだろう。 “古本市場” by ketou-daisuki is licensed under CC BY-SA 2.0 . ブックアイランドはどうなった。 今年は女子サッカーW杯が行われる。 その前最後の親善試合に臨むなでしこジャパン。 MS&ADカップだ。 丁度今日、宮城県でパナマ代表と試合をする。 被災地からの声という番組もある。 東北でのみ視聴できるテレビ番組だ。 震災から12年経った今も見る事ができる。 お盆では馬に乗って早く戻って来た先祖が牛に乗ってのんびり帰って行く。 僕も仏壇に手を合わせたい。 スイカバーというアイスクリームも良い。 ここでフィクションの人物、滝三刈氏が登場する。 滝三刈氏は東北大学出身だ。 初夏、滝三刈氏は休暇を利用して仙台を訪れた。 昔行きつけの広瀬通りのあゆみブックスに行く。 店内はクーラーが効いていて居心地がいい。 高校生くらいの若者が本を選んでいた。 滝三刈氏は書店でよく見かけた出版社のパンダのキャラクターを思い出した。 「今度はクマのキャラクターでも出さないかな。」 今年はブナの実が大凶作と聞く。 野に下りてくるであろうクマ達。 滝三刈氏はクマの台所事情を考えながら、店内を後にした。 次に向かったのは勾当台公園だ。 滝三刈氏は持参したシートを地面に敷くと木陰に座り込んだ。 公園では子供たちがボール遊びをしている。 そんな様子を見ながら、 「地方では少子高齢化が益々進む。仙台も他人事ではいられないだろう。昔通ったツタヤも閉店してしまった。CDを借りたっけな。」 と思った。 「CDを取り込んでウォークマンで曲を聞いたんだ。緑黄色社会のLITMUSという曲が人気のようだが、大学教授は腹が痛いのではないだろうかね。」 その時だった。 「よいさ、よいさ。どっこいしょ、どっこいしょ。」 小坊主たちがお神輿を担いでいる。 疲れているようで公園の片隅に座ってしまった。 近づいてみると道を間違えたらしく、スマートフォンを取り出して話し合っている。 「夏祭りか。ここは定禅寺通りだぞ。暑いからとっとと広瀬川に行って涼んで来たらどうだ。」 滝三刈氏が言う。 「あわ、地元の方ですか?我々は青森駅に行こうとしたのですが、迷ってしまったのです。ここは八戸の八戸高校でしょうか?」 小坊主が訊ねる。 「この阿呆が!ここは七夕祭りの仙台市だよ。迷子冥土のマイムマイムか。さっさと新幹線に乗って帰省することだな。この分じゃ次は山形にでも着くだろうさ。」 ポカッと頭を殴りつける。 « Je suis là.。実はもう足が痛くて動けないのです。青森行きのバスを手配してもらえませんか。」 「馬鹿言うんじゃないよ。バスターミナルの場所くらい分かるだろ。タクシーで青森まで帰りかねん、アルツハイマー病だ。舌を引っこ抜いて牛タンにして食ってやるぞ!」 ポカポカと殴りかかる。 一寸後に勝利を確信した滝三刈氏は今日の宿であるドーミーインへ向かって立ち去った。 「七夕祭りでは天の川を渡った男女が出会う。若者にはボーイミーツガールがつきものだ。ガールミーツボーイが求められている気配もある。今夜は国分町で一杯飲もう。立ち飲みでアットホームな店が良い。」 滝三刈氏は雑踏の中の色となってにじんでいった。