ポール・オースター (Rédigé par) / 柴田 元幸 (Translation)
Shinchosha (Maison d’édition) / Shincho Bunko
1995Le 1er mars (Date de sortie)
Édition de poche (Format)
ポール・オースターの小説。
彼の名を広めた「ニューヨーク3部作」の第2作目だという。
ストーリーは、とある私立探偵に奇妙な依頼が舞い込むというもの。
ある男を見張ってほしいというのだ。
Mais、その男は毎日何かを書き、読んでいるだけ。
だんだんと探偵は落ち着かなくなり、とうとう行動を開始する…
文庫で120ページくらい。
短いのでサクッと読んだ。
登場人物にブルーとかホワイトとかブラックとか色の名前がつけられているのが印象的だった。
最初読んだときは、ストーリーがちょっと分からなかったのだが、巻末の解説を読んでよく分かった。
解説は大事だな。
ホワイト/ブラックもおかしなことを考えるものだ。
自分が生きているあかしとしてブルーを必要としたようだが、孤独だったのかな。
途中で1度だけ登場した女性とも別れたのだろうか。
それにしても、巻き込まれたブルーの怒りはもっともだと思った。
ドッキリじゃないんだから、こういう奇妙なことはやめてもらいたいよな。
ブルーは前向きで強い性格の持ち主だったから、不安な状況にもまどわされることがなかったのだろう。
Articles connexes
- Enfants surdoués est de trois ans.、7-year-old、10Dépend de l’âge ! Comment former votre cerveau 10 林 成之 (Rédigé par) Gentosha Gentosha (Maison d’édition) / 幻冬舎新書 2010年12月31日 (Date de sortie) Kindle Edition (Format) 脳医学にもとづいた子育ての本。 子どもを単に頭のいい子にするのでなく、性格や人間力も育むにはどのようにしたらいいか書かれている。 脳の発達過程から、年齢ごとにアプローチも異なるみたい。 「0歳~3歳」、「3歳~7歳」、「7歳~10歳」、「10歳以降」の4つに分けて説明されている。 「0歳~3歳」では脳の本能を磨き、「心が伝わる脳」を育てる 無理やり知識をつめこんで、「学ぶことはつらい、おもしろくない」と思わせることは避ける。 「3歳~7歳」では脳にとって悪い習慣をやめ、「勉強やスポーツができる脳」のベースを育てる 「7歳~10歳」では自ら学ぶ「本当に頭がよい脳」を育てる うまく子供を導いて自主的にやらせる。 「10歳以降」は良い習慣を存分に生かし、「才能を発揮する脳」を伸ばしていく 10歳以降はどんどん勉強させる。 ということらしい。 他にも脳をきたえる10の方法というものが書かれていた。 物事に興味をもって、好きになると脳が十分働く。 そのため、先生や指導者を嫌いにならず、好きになるのがいいということなどだ。 Le reste、感動する力を育む、素直な性格がいいなどなど。 確かに、社会生活を送るうえで、そうした人間のほうがうまく社会に適応できるだろうな。 脳科学の面から考えても、脳の力が最大限発揮されて、いいことづくめらしい。 しかし僕はへそ曲がりなので、なかなか同意しかねる部分があった。 嫌いな先生はやっぱり嫌いだしなぁ・・・ 素直になれず、斜に構えてしまうこともあるし・・・ 暗い性格になってしまうと、脳の力もうまく発揮されず、いいことがないみたい。 困ったものだ。 そうした負の感情が昇華され、何かの分野で爆発してプラスに働くこともあるだろうと僕は信じたい。 それにしても、petit、中、高の先生や習い事とかの指導者がまだ未熟な子どもに与える影響というものは大きいんだな。 教師の責任は重大だ、しっかり自覚してもらいたいな。
- Tout comme les humains Kobo Abe (Rédigé par) Shinchosha (Maison d’édition) / 新潮文庫 1976年5月4日 (Date de sortie) Édition de poche (Format) 安部公房のSF小説。 短いのでサクッと読めた。 ストーリーは、「こんにちは火星人」というラジオ番組の脚本家(主人公)の家に火星人を名乗る男が訪ねてくるというもの。 火星人を主張する男の目的が何なのか最後まで分からず、不気味だった。 最初は分裂症(統合失調症)の患者なのだろうとたかをくくっていた主人公だが、だんだんと男の話術に惑わされていく… 読み進めているうちに僕も少し混乱してきた。 証拠がない限りはどんな可能性でも残されているという。 僕が地球人なのか、地球病にかかった火星人なのかは分からないわけだ。 この男も本当に火星人なのかもしれないし、火星病にかかったただの地球人かもしれない。 文中の言葉を借りると、「トポロジー神経症」というやつらしい。 しかし僕は現代科学のほうを信じたいと思う。 今のところ火星には生きてる生物が見つかっていないわけだから、火星人なんていないのだ。 この男と妻は精神病にかかっており、主人公は感化されて自らも精神を病んでしまったといことなのだろう。 あまり考えすぎると深みにはまっていってよくない。 科学も間違っていることはあるだろうが、当面は科学で正しいと思われていることを信じて生きていくのが僕の性分に合ってるなと思った。
- Homme dans l’obscurité ポール・オースター (Rédigé par) / 柴田 元幸 (Translation) Shinchosha (Maison d’édition) 2014年5月30日 (Date de sortie) Couverture rigide (Format) 著者が9・11を、初めて、小説の大きな要素として描いた作品みたい。 巻末の訳者あとがきを読むと、著者はニューヨークのブルックリン在住ということで、事件から受けた衝撃が大きかったことが想像できる。 僕は知らなかったが、その後のアメリカでは、多くの作家が9・11を感じさせる作品を発表しているのだな。 本書の内容は次のような感じ。 ある男が目を覚ますとそこは9・11が起きなかった21世紀のアメリカ。 代わりにアメリカ本土で内戦が起きているという… 現実と虚構が混ざりあっていく様を感じた。 autre、小津安二郎監督の東京物語について述べられたり、物語の物語が存在したり、主人公の祖父と孫娘の間で家族の秘密が語られたりする。 (実のところ、僕は東京物語を見たことがない) そして最後に明らかになる悲劇は、9・11当時のアメリカの政権に対する、作者の怒りが表されているのだろうか。 でも政治的な主張を込めるだけでなく、作品として全体的にバランスよく昇華されているところがこの著者らしさなのかなと思った。 まぁ訳者あとがきを読めば、僕の書いたようなことはうまくまとめられているわけで、訳者の人もすごい。