Homme dans l’obscurité

Homme dans l’obscurité

ポール・オースター (Rédigé par) / 柴田 元幸 (Translation)
Shinchosha (Maison d’édition)
2014年5月30日 (Date de sortie)
Couverture rigide (Format)

著者が9・11を初めて小説の大きな要素として描いた作品みたい
巻末の訳者あとがきを読むと著者はニューヨークのブルックリン在住ということで事件から受けた衝撃が大きかったことが想像できる
僕は知らなかったがその後のアメリカでは多くの作家が9・11を感じさせる作品を発表しているのだな

本書の内容は次のような感じ
ある男が目を覚ますとそこは9・11が起きなかった21世紀のアメリカ
代わりにアメリカ本土で内戦が起きているという…
現実と虚構が混ざりあっていく様を感じた
autre、小津安二郎監督の東京物語について述べられたり物語の物語が存在したり主人公の祖父と孫娘の間で家族の秘密が語られたりする
(実のところ僕は東京物語を見たことがない)

そして最後に明らかになる悲劇は、9・11当時のアメリカの政権に対する作者の怒りが表されているのだろうか
でも政治的な主張を込めるだけでなく作品として全体的にバランスよく昇華されているところがこの著者らしさなのかなと思った
まぁ訳者あとがきを読めば僕の書いたようなことはうまくまとめられているわけで訳者の人もすごい

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