Murs américains
6編の作品が集められた短編集。
SF、Mystère、ホラーといった多彩な内容だった。
僕が面白かったのは、本書のタイトルにもなっている「アメリカの壁」と「幽霊屋敷」という作品かな。
アメリカの壁は、ベトナム戦争後の物語である。
アメリカが白い霧の壁に完全に覆われ、外部との接触が一切不可能になるというSF作品だ。
「アメリカはたった一国でも生きのびるだろう…」
国内で囁かれる静かなスローガン。
アメリカに閉じ込められた日本人の主人公は、状況を不審に思い調査を始める…
2017年にトランプ大統領が誕生したことで、本作が再び注目を浴びたという。
確かに、壁というキーワードが登場するし、トランプ大統領が標榜するアメリカ第一主義を予見していたかのような内容だった。
アメリカが内向き志向になることで、却って超大国アメリカの世界に及ぼす影響の大きさというものを感じたな。
幽霊屋敷は、巻末の解説によると、著者お得意の消失ものだという。
山登りの最中、突如として神隠しのように消えてしまった大学生。
その謎を探偵が探っていく。
途中、けっこうこわかった。
Argot britannique、Argot américain — — anglais avec Luke
C'est pas le fait de le faire. – Fiction de l’Université Waseda