C'est pas le fait de le faire.

G. ガルシア=マルケス (Rédigé par) / 野谷 文昭 (Translation) Shinchosha (Maison d’édition) / 新潮文庫 1997年11月28日 (Date de sortie) Édition de poche (Format) 有名な南米の作家の作品を初めて読んだあとがきによると実際に起こった事件をモデルにして描かれたらしいフィクションとノンフィクションの総合とのこと約30年前閉鎖的な田舎町での婚礼騒ぎの翌朝殺害された男本書では構成された5つの章が複雑な過去を表現しているというそして民衆の意識や思考共同体のメカニズムを複眼的に把握するという著者の特徴的世界観があるようだ僕はパラパラと読んだが南米の文化を感じたかな章立ても小粋な感じだと思った最後に事件をもってきて読み終えた読者はまた27年後の冒頭に戻り事件を振り返るという円環をなしているのだろうか。 Le reste、表紙の「仮面にかこまれた自画像」は閉鎖的な共同体を表しているのかしら小説を読んでいると自分も小説を書きたくなるものだ。 … Continue readingC'est pas le fait de le faire.

C'est pas le cas.

フランソワーズ・サガン (Rédigé par) / 河野 万里子 (Translation) Shinchosha (Maison d’édition) / 新潮文庫 2008年12月20日 (Date de sortie) Édition de poche (Format) 最近集中して本を読まなくなった僕であるがパラパラと本書を読んだまたいつかじっくりと読書をしてみたいものだ本書はセシルという主人公の少女の周りをとりまくいろいろな恋愛模様の話かな恋愛は大変だなぁ僕は皆が幸せになれる恋愛が一番いいと思う悲しむ人がいるというのは良くないですな本書のタイトルとは不一致な感想になってしまったw いや僕はタイトルがいいなと思っているのです冒頭とラストの「悲しみ」について触れられている箇所が印象に残ったし。 … Continue readingC'est pas le cas.

Comète rénové édition Moomin Valley

トーベ・ヤンソン (Rédigé par) / 下村 隆一 (Translation)Kodansha Ltd., Tokyo (Maison d’édition) / 講談社文庫2011年4月15日 (Date de sortie)Édition de poche (Format) ムーミンの本を読んでみた独特の世界観だなムーミントロールスニフスナフキンスノークのお嬢さんたちが登場する彼らの出会いはこんな感じだったんだムーミントロールとアンゴスツーラの闘いの場面が僕的に面白かった。 Le reste、挿絵がたくさん載っていたヤンソンさんがイラストも描いているのかムーミンのキャラクターたちはかわいいなぁ

Cold blooded

トルーマン・カポーティ (Rédigé par) / 佐々田 雅子 (Translation) Shinchosha (Maison d’édition) / 新潮文庫 2006年6月28日 (Date de sortie) Édition de poche (Format) 5年余りの綿密な取材をもとに書かれたノンフィクション・ノヴェルだという。 600ページくらいでボリュームがあったアメリカのカンザス州で実際に起きた殺人事件について書かれているどんどんエスカレートしていく犯人たちの行動が怖かったありきたりだが犯罪はよくないな被害者とその家族の苦しみはもちろんのこと加害者家族も不幸になってしまう犯人たちが不幸な境遇に生まれたのは分かるがやってしまったことを考えると極刑は妥当だと思った人が十分社会化されるためには幼少期の環境教育が重要なのかもしれない。 Le reste、ペリーがドン・カリヴァンからの手紙を受け取るところはよかったが序盤で登場していた教戒師の書記ウィリー・ジェイはどこに行っちゃったのだろうと少し思ったそれほど親しくはなかったのか皆が平和で楽しいそんな一生を送りたいものだ

Où les étoiles nés

マイケル・カニンガム (Rédigé par) / 南条 竹則 (Translation) Shueisha (Maison d’édition) 2006Le 1er octobre 2010 (Date de sortie) Couverture rigide (Format) 現代アメリカの実力派作家の作品だという本小説。 3章から成っていてニューヨークの過去現在未来が描かれている幽霊物語?スリラーSFとそれぞれのジャンルも多彩だどれも甲乙つけがたい… 本書は9.11以後の悩めるアメリカが生んだ物語らしい確かに読んでいると事件を想起させる場面が出てきてその影響を感じさせられた映画化もされるのかしら。 Aussi、何度も引用されるのはウォルト・ホイットマンというアメリカの幻視家詩人の詩「草の葉」という作品からの引用なのかな彼が書いていた詩は合衆国そのものと言ってもいいと本書に書かれていた僕は知らなかったのだが有名な人みたいだ

Gentile

カミュ (Rédigé par) / 窪田 啓作 (Translation) Shinchosha (Maison d’édition) / 新潮文庫 1963年7月2日 (Date de sortie) ペーパーバック (Format) なんとなくこの小説を読み返した通常の論理的な一貫性が失われている男ムルソーを主人公に不条理の認識を追求した作品だという読んでいると僕はムルソーに感情移入しちゃって彼がそんなにひどい人間だとは思えないのだけどな彼が自分の行為の結果について裁かれるのは仕方ないけどもこういうとき愛する存在がいたり優しさに触れた経験があるかどうかが僕は大事だと思っていて彼も愛や優しさを知っていたらよかったのにそうしたら物語は変わってきただろう本書の舞台はアルジェリアのアルジェというところらしい地中海ってやつですなアルジェの永遠の夏かよいですねぇ。 Le reste、巻末の解説に描かれていたがカミュは実存主義者ではなかったのだな

Homme dans l’obscurité

ポール・オースター (Rédigé par) / 柴田 元幸 (Translation) Shinchosha (Maison d’édition) 2014年5月30日 (Date de sortie) Couverture rigide (Format) 著者が9・11を初めて小説の大きな要素として描いた作品みたい巻末の訳者あとがきを読むと著者はニューヨークのブルックリン在住ということで事件から受けた衝撃が大きかったことが想像できる僕は知らなかったがその後のアメリカでは多くの作家が9・11を感じさせる作品を発表しているのだな本書の内容は次のような感じある男が目を覚ますとそこは9・11が起きなかった21世紀のアメリカ代わりにアメリカ本土で内戦が起きているという… 現実と虚構が混ざりあっていく様を感じた。 autre、小津安二郎監督の東京物語について述べられたり物語の物語が存在したり主人公の祖父と孫娘の間で家族の秘密が語られたりする(実のところ僕は東京物語を見たことがない) そして最後に明らかになる悲劇は、9・11当時のアメリカの政権に対する作者の怒りが表されているのだろうかでも政治的な主張を込めるだけでなく作品として全体的にバランスよく昇華されているところがこの著者らしさなのかなと思ったまぁ訳者あとがきを読めば僕の書いたようなことはうまくまとめられているわけで訳者の人もすごい

C'est pas vrai.

トマス・ハリス (Rédigé par) / 加賀山 卓朗 (Translation) Hayakawa Shobo (Maison d’édition) / ハヤカワ文庫NV 2015年11月6日 (Date de sortie) Édition de poche (Format) 有名なサイコサスペンス小説この3部作は僕も昔読んだし映画も見たかなり怖いけどな最近また読みたくなってこの新訳版を買った本書は3部作の中では一番最初の物語だ映画のキャッチコピーは「《悪の根源》を知る為には その原点に戻らねばならない」だったはず本書ではウィリアム・ブレイクの水彩画「巨大な赤い龍と太陽の衣をまとった女」が重要な役割を果たしているレッド・ドラゴンとはこの絵に描かれている竜のことでキリスト教のヨハネの黙示録に記される黙示録の獣のことみたい確か小説版と映画版ではラストがちょっと異なるんだっけか小説版のラストでは主人公ウィル・グレアムが悲惨なことになる… しかし犯人逮捕のためがんばったグレアムは英雄だな彼はこの捜査に携わることに決めたという自身の最初の選択を後悔しているだろうか? 悔やんではいないだろうと僕は思っていた。 Simplement、僕はよく覚えていなかったのだが話によるとグレアムは事件解決後酔っぱらいになってしまったらしいあららモリーとウィリーとは別れたのかなやっぱり怪我をして一人ぼっちは辛かったのか… グレアムにはぜひともFBIに復帰してもらってまた事件をどんどん解決してもらいたいなと思った

Des papiers posthumes de la légende de Sleepy Hollow fin Diedrich Knickerbocker

  ワシントン・アーヴィング (Rédigé par) / 吉田 甲子太郎 (Translation) Amazon Services International, Inc. (販売) / 青空文庫 2011年8月30日 (作成日) Kindle Edition (Format) 映画「スリーピー・ホロウ」の原作となった本本書は32編の物語とエッセイが収められた「スケッチ・ブック」という本の一編らしい青空文庫となっていて無料で読めるみたいだ底本は新潮社の新潮文庫から発売された「スケッチ・ブック」とのこと本書は映画とはちょっと違うストーリーとなっているイカバッド先生とブロム・ボーンズとのカトリーナをめぐる恋の争いの結末がああだったのはちょっと残念だイカバッド先生は幽霊騎士に連れて行かれてしまったのかな。 Le reste、僕は「倦怠の城(The Castle of Indolence)」という冒頭の1篇の文章が好きなんだよなスコットランド詩人ジェイムズ・トムソンの作品からの引用句そこは心地よいまどろみの国夢は半ばとじた眼の前にゆれきらめく楼閣は流れる雲間にうかび雲はたえず夏空に照りはえていた--倦怠の城 (電子書籍のためページ数不明) 僕の記憶はあいまいなのだが徳間書店が出版している映画のノベライズ版の巻末?にもこの文章が載っていてそれは訳が少し違った気がするそこは心地よいまどろみの国半ばとじた眼の前にゆれる夢の国きらめく楼閣は流れる雲間にうかび雲は夏空の下絶えず照り映えていた… みたいな訳だっけか? 僕はこっちのほうをよく覚えているなぁ…

Manteau, nez

ゴーゴリ (Rédigé par) / 平井 肇 (Translation) Iwanami Shoten (Maison d’édition) / 岩波文庫 2006年2月16日 (Date de sortie) Édition de poche (Format) 2つの短編「外套」と「鼻」が収録されている文庫本「外套」は万年九等官の下級官吏で写字を己の職務としているアカーキイ・アカーキエヴィッチについての物語だ彼が自分の外套を新調しようとしたところ空虚だった彼の人生に突然大嵐のような変化が訪れるその喜びと不幸に翻弄された彼の運命の結末は… 僕のような平凡な読者の人生にも突然ある出来事が起こって平穏だった生活に暴風雨が吹き荒れることがあるのかもしれないそういう時でもちゃんと地に足をつけて生活していかないといけないな「鼻」はコワリョフ八等官の物語。 Un jour、彼の鼻が顔から離れてひとり歩きを始めたというのであるしかも鼻は五等官の姿で各所に現れたりと不思議で不可解な展開になる不合理なテーマを写実主義的に描いた作品とのこと「鼻」といえば芥川龍之介の作品しか僕は知らなかったが世界にはいろんなことを考える作家がいるものだ

La porte en été

ロバート・A・ハインライン (Rédigé par) / 福島 正実 (Translation) Hayakawa Shobo (Maison d’édition) / ハヤカワ文庫SF 2010年1月25日 (Date de sortie) Kindle Edition (Format) 海外の作家のSF作品主人公のダニエル・ブーン・デイヴィス(ダン)は機械工学の学位を持った技術者で親友のマイルズと恋人のベルといっしょに会社を運営していた。 Mais、友人と婚約までした彼女の2人に裏切られて会社を乗っ取られてしまう絶望した主人公は、30年間の冷凍睡眠(コールドスリープ)をして2000年に目覚めることにするかと考えるそこからストーリーが動き出していく・・・ SFだが僕の印象ではけっこう読みやすかった最後もハッピーエンドだし良かったないろいろと印象に残ったこともあった主人公が技術者として語る場面がその1つだ技術者は数理物理学者である必要はなく実際面に応用できる程度に表面をかすめておけば用は足りるとかあとは工業技術というものはなによりも現在に即した技術であり一人の技術者の才能よりはその時代の技術水準一般に負うことが多いとかそういうものかもしれないな他に面白かったのは主人公がトウィッチェル博士(トウィッチ博士)を挑発する場面だ「あんたの論文はあれは発禁になったのでもなんでもない役に立たん屑論文をつっこむファイルに綴じこまれたんですよ。 et、国防省の連中が時々引っ張り出しちゃおもしろがってまわし読みしてるんだ」 (9章電子書籍のためページ数不明) この後も主人公がトウィッチ博士をバカにするこれには笑ったw ちゃんと「埋もれた天才」という本を出版してあげないといけないな。 Aussi、ジョン・サットンからの手紙には感動したジョンみたいないい人に巡り合えて主人公は運が良かった。 Enfin、猫のピートを長期の冷凍睡眠に送らなければならないと言っているのはピートが死んでしまうということかな? それとも将来寿命をのばす治療ができるまで眠らせておくということだろうかピートが夏への扉を発見できるといいと僕は思った

クロイツェル・ソナタ / 悪魔

Tolstoï (Rédigé par) / 原 卓也 (Translation) Shinchosha (Maison d’édition) / 新潮文庫 1952年6月16日 (Date de sortie) Kindle Edition (Format) ロシアの作家の作品中編2作が収録されている「クロイツェル・ソナタ」は電車で乗り合わせた男が自分の過去を主人公に語り出すというものその男は妻との結婚生活がうまくいかずそのうち妻が浮気をしているのではないかと嫉妬にかられ妻を自らの手にかけてしまった妻と浮気相手の男が一緒に演奏した曲がクロイツェル・ソナタである一人の相手に対してずっと続く愛情なんてものは存在しない結婚は欺瞞または強制だと罪をおかした男は語る。 Aussi、自分は放蕩して道楽者へと堕落してしまい破滅へ進んだと言う性欲は様々な欲望の中でいちばん強いもので男が必要とするのは女性の肉体だけ(体目当て)だとも書かれていたけっこう過激なことが書かれていたがそういう考えも理解できるなと僕は思った結婚したら性欲が満たされて恋心は薄れていくらしい子供ができたら子育てもしないといけないし恋だとか言っている余裕もなくなるのかもしれないそれでも一緒にいたいと思う人を結婚相手にしないといけないんだろうな。 Toutefois,、主人公は妻との結婚生活が喧嘩ばかりだったのにそれでも妻の浮気には嫉妬するものなんだなと感じた「悪魔」は妻を愛する主人公が過去に関係のあった女性への情欲をかきたてられ自己嫌悪のあまり絶望して自らをあやめてしまうという話だ性欲に負けて自分を愛してくれる妻への裏切り行為をしようとしている自分に思い悩み破滅へと向かってしまった主人公を捉えて離さないその過去の遊び相手の女性を悪魔と表している妻に正直に全てを打ち明けたほうがよかったんじゃないかと僕は思ったが難しいところだな一時の欲望に負けて将来後悔することのないようにしないといけないと思ったあとがきによると「悪魔」はトルストイの私小説的色彩が濃いというそのため妻へ配慮しトルストイの存命中は発行しなかったらしいトルストイは性的欲望が人間生活のさまざまな不幸悲劇の源だと考えていたみたいこれを警句として僕も気をつけよう

C'est une fois les gens qui ont

ロジェ・グルニエ (Rédigé par) / 山田 稔 (Translation) みすず書房 (Maison d’édition) / Lettres 2001年2月 (Date de sortie) Couverture rigide (Format) フランスの作家の作品ストーリーは年老いた主人公のルネ・ラングラードが女友達のローリス・ファリレエフとともに友人だったシモン・ファーブル=レスコーのことを回想するというもの名門出でお金もあるシモンはだんだんと没落していき姿を消してしまったアフリカに向かったという噂を残してシモンの人生を彩った女性たちがルネたちの記憶の中から現れては消えていく訳者あとがきにまとめられているものが要約として分かりやすかったフランスでの第二次世界大戦直後の高揚感とその後の日常生活の虚ろさシモンはとうとう何も成し遂げられなかったのだろうかそしてシモンの人生をリライトしているだけなのではないかと自問する主人公のルネルネは自身の挫折感と冷淡な性格にときおり押しつぶされそうになるというこの前読んだグルニエの作品でも老年期に入った主人公が自分の人生を振り返っていた将来後悔しないように今を生きないといけないな主人公のルネと友人のシモンは小説家になると言っていたが結局作品を書き上げることはできなかった人生はあっという間なんだな僕も酔生夢死などとならないようにやりたいことには積極的にチャレンジしていこうと思った。 … Continue readingC'est une fois les gens qui ont