浄土

町田 康 (Escrito por)Kodansha (Casa editorial de) / 講談社文庫2008年6月13日 (Fecha de lanzamiento)Edición de bolsillo (Formato) 奇想あふれる破天荒なる爆笑暴発の7つの短篇集とのこと僕はこの著者の作品を初めて読んだのだが独特な文章だと思った変わった人もいるものだちょっとブラックな内容が多かったが「自分の群像」という短編が僕はおもしろかったかなボンクラの同僚にむかつくOLの話だ優しさを持って人に接したいと思うが世間にはどうしようもない人もいるからなぁ…

カンガルー・ノート

Kobo Abe (Escrito por) Shinchosha (Casa editorial de) / 新潮文庫 1995年1月30日 (Fecha de lanzamiento) Edición de bolsillo (Formato) 著者の最後の長編ある日突然かいわれ大根が脚のすねに生えた男訪れた病院で硫黄温泉行きを告げる医者に見送られ主人公は自走するベッドとともに不思議な冥府巡りの旅に出発する… 本書には医学的な内容がいろいろ出てくるので著者はさすがに医学部出身だなと思いながら僕は読んだ巻末の解説によるとこの小説のテーマは死だという著者は何年も前から死と戦っていたみたい前衛小説?なのかなと思ったが本作は私小説とのこと死が身近に迫った著者の幻想的な私小説だったのだろうかそこでアマゾンのカスタマーレビューを読むと死を笑い飛ばし矮小化する意図があったと書いている方がいた。 Ya veo、そういうことだったのか~ また最後の一文が切ない名文だと書いている方もいたたしかに最後の7章「人さらい」のラストと登場する歌は印象的だ… 死というものはなんとも切ないアマゾンレビュアーには賢い人たちがいるものだなぁ解説には次のようにも書かれていた現代日本の小説家の中で一番自分の体験や自分の感情を隠したのは安部さんであった(中略) 多くの作家が自分の感情を誇張した形で小説に盛り込むことに反してはにかみ屋だった安部さんは自分の深い感情の周囲に数多くの壁を建て壁の中に隠されている自分を発見できる読者を待っていた(『カンガルー・ノート』再読 ドナルド・キーン (Escrito por) p.217) ふむふむ~ こういう姿勢はかっこいいな。 … Continue readingカンガルー・ノート

Para tienda de conveniencia

村田 沙耶香 (Escrito por) Bungeishunju (Casa editorial de) / 文春e-book 2016年7月27日 (Fecha de lanzamiento) Versión Kindle (Formato) 芥川賞を受賞したという話題の小説遅くなったが今頃読んでみた僕もコンビニでバイトしていたことがあるからなぁそんなに長くないのでサクッと読めるそうしたら主人公がサイコパスなこういう物語だったのかという発見があったw 本書は現代の実存を問い正常と異常の境目がゆらぐリアリズム小説だという通常の論理的な一貫性人間性が失われているカミュの異邦人に登場するムルソーのような主人公を描くことで実存主義を示したということなのだろうか個性と普通相反する2つのことが日本社会では求められるからなコンビニフリーター結婚という現代社会の要素話題も取り入れられているこういう作品が大きな賞をもらったのかなるほど…

Fotos de la familia

荻原 浩 (Escrito por)Kodansha (Casa editorial de) / 講談社文庫2015年4月15日 (Fecha de lanzamiento)Edición de bolsillo (Formato) 家族をテーマにした7つの短編が収められた本コミカルだったりちょっとしんみりしたりする話が載っていた僕が印象的だったのは「結婚しようよ」と「家族写真」かなこの著者の作品は「噂」という本を昔読んだことがあったな~海外旅行に行く時飛行機の中で読もうと思って持って行ったんだ確かなつかしい不思議な縁を感じる

虐殺器官〔新版〕

  伊藤 計劃 (Escrito por) / redjuice (Ilustraciones) Hayakawa Shobo (Casa editorial de) / ハヤカワ文庫JA 2014年8月8日 (Fecha de lanzamiento) Edición de bolsillo (Formato) 日本SFの有名な小説なのかしら。 9・11以降の時代の世界についての内容だ作者は対談でほとんど資料調べをしないで書いたと話していたが巻末の解説にあるサンプリング参考文献の話もしっくりくる著者はもともとそういう知識があったのだろうこの器官(ことば)はある事象に対する人間の生存適応だったらしい最後の方が僕には印象的だった

¿Estoy con Palm?

今邑 彩 (Escrito por) Shueisha (Casa editorial de) / 集英社文庫 2002年9月1日 (Fecha de lanzamiento) Edición de bolsillo (Formato) 12篇のホラー短編が収められた本どの短編もラストで驚かされるところがあったりして、Fue interesante。 僕が特に印象に残った物語は「穴二つ」表題の「よもつひらさか」などかな「穴二つ」はネットストーカーの話で昔のパソコン通信をいち早く作品の小道具に取り入れたのだろうなぁ「よもつひらさか」は日本神話の黄泉比良坂をもとにした話だ黄泉戸喫(よもつへぐい)という言い伝えは僕も知っていた黄泉の国の食べ物(黄泉の国の火で作った食べ物)を口にすると現世に戻れなくなるというものだ初代SIRENで言われていたのを覚えている僕も気をつけようっと(杞憂もいいところ)

素直な戦士たち

城山 三郎 (Escrito por) Shinchosha (Casa editorial de) / 新潮文庫 2013年4月1日 (Fecha de lanzamiento) Versión Kindle (Formato) 息子を東大文一へ合格させるという計画遂行のため全てを捧げる妻の千枝そしてそれに付き合わされる夫教育ママもここまで徹底的だとすごい本書はフィクションなので過剰に描かれているがこういう母親は実際にいそうだから困るこの本は1978年初版発行で当時の過熱する受験競争学歴社会を描いた小説だというよくできた物語だと僕は思った子供時代の兄の英一郎と弟の健次の兄弟はかわいいだが千枝のせいでかわいそうだな夫の秋雄も妻の言いなりだし話の途中で登場する係長の尾石や小学校受験の面接官の考えのほうが僕にはしっくりきた学力だけを重視するのでなくいろいろな経験をさせて情操豊かで魅力的な人間を育てるのが良いということを作者は知っていたのだろうあとは親子が相互依存せず自立して生きるのが良いのだな本書では学歴は遺伝しないという話があったがそういうものかもしれない勉強しかしたことのない英一郎は成長するにつれてどんどん病んでいき放任主義で育った健次と衝突恨むようになるそして事件が起きるのだった悲しいなぁ…

Nobuta。Producido por

白岩 玄 (Escrito por) Kawade Shobo Shinsha (Casa editorial de) 2004年11月20日 (Fecha de lanzamiento) Libro (Formato) Antiguo、ドラマ化もされた小説原作はドラマ版とは設定が異なるみたいだ冴えない転校生をプロデュースして人気者にすることになった主人公その試みは成功するが主人公はある事件をきっかけに友人からの信用をなくしていく… 高校生の人間関係は難しいなとつぜん嫌われたりしたことは僕も学生の頃あったな~と思い出した。 Bien、原因というものは何かしら自分にあるのだろうけど本書の場合はどうすればよかったのだろう? むずかしいね主人公は演技したキャラクターになりきることができなかったために失敗してしまったみたいだ素の自分とかけ離れすぎたキャラを演じるのは大変だな無理しないのが一番かもしれないラストでは転校した主人公が再び同じことを繰り返そうとしているこれはうまくいかなそうだな~ おもしろい小説だった自分の学生時代を思い起こさせるほろ苦い魅力を持っていたな

Cuál es mi

三田 誠広 (Escrito por) Kawade Shobo Shinsha (Casa editorial de) / 河出文庫 2008年9月20日 (Fecha de lanzamiento) Versión Kindle (Formato) 田舎から大学に上京した主人公が学園紛争に巻き込まれていくという青春小説僕的にはおもしろかったな緊張感もあって一気に読んだしかし当時の学生運動というものはこわかったんだなぁ今の時代は平和でよかった… 主人公は自分とは何かという問いに思い悩む結局答えは出なかった最後の母親のいびきと眠りに落ちたレイ子のたてるぶきみな歯ぎしりの音に挟まれる主人公の姿は暗示的だった女性2人に囲まれ自分に自信が持てない主人公… 彼はこれからしっかりと自己を確立することができるのだろうか? まぁ年齢を重ねるうちにアイデンティティというものができてはくるのだろうけどなラストは主人公のどこか不吉な将来をほのめかしているようで印象的だった

Ver cabo rojo caballo campana-CHAN, revisado.

庄司 薫 (Escrito por) Chūō Kōron Shinsha (Casa editorial de) / 中公文庫 1995年11月18日 (Fecha de lanzamiento) Versión Kindle (Formato) 青春文学だという僕はこの小説を寡聞にして知らなかったのだがどことなくJ.D.サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」を彷彿とさせるなぁと思った主人公の語り口調がなんかホールデンっぽかったストーリーは都立日比谷高校に通う高校3年生の主人公の1日を描いているのかな主人公はいろいろと思い悩むが最後に自分のなりたい理想像を見つける。 Según el epílogo、日比谷高校は毎年200名近い東大入学者を出していたかなりすごい高校だったみたいエリート校の受験競争になんて興味ありませんというキザなインチキ芝居についての描写はおもしろかったそこには美学が感じられる伝統校はこういうところがあったりするのかもしれない受験と関係ない遊びとか部活とか文化祭とかの行事にものすごく力を入れたりするもんな。 sin embargo、学生運動の影響でその年の東大入試が中止になり主人公は大学受験をやめ来年また東大を受けようと決める大変な時代だったんだなぁ当時の時代を鮮やかに表した小説なのだろうか。 Además、この小説は1作目で続きがあって「薫くん四部作」というものがあるらしいまだまだ僕の知らない小説は多い…

乱反射

貫井 徳郎 (Escrito por) 朝日新聞出版 (Casa editorial de) / 朝日文庫 2011年11月4日 (Fecha de lanzamiento) Edición de bolsillo (Formato) ミステリー小説一般市民の小さなモラルなき行為が積み重なって「殺人」が起きる… 登場人物にちょっと性格悪い人が多くないか?とも思ったがこのくらいの行為をする人たちは現実社会にもいるだろうな人間のエゴイズムかー 社会倫理を大事にしないといけないね後半で主人公の加山がホームページを作ってメールを受け取る場面が僕は印象に残った批判的な意見に落ち込む気持ちは分かる… 世間のマジョリティの意見が自分の意見と違う場合はさらに大変だろう同情してくれる人がいれば喜び批判的なメールならば落ち込む感情は一日のうちに何度も上昇と下降を繰り返しその振れ幅の広さ故に徐々に脆くなっているのが感じられた(p.568) 最近はインターネット社会だからダイレクトに人の反応が返ってくる自分に合った距離感を見つけてインターネットと付き合わないと疲れちゃうよな。 Bien、意外と優しい人が多かったりするんじゃないかと僕は思っているが。 Última、岬での青い海と夕日の情景がせつないこの作者の本を僕は初めて読んだのだが他の作品も読んでみようかな本書がけっこう分厚かったので最初は読むのが大変かな~と思ったのだが読みやすくておもしろかった最近の僕は厚くて長い本を読もうとチャレンジする気持ちがなくなってきて困ったものだ本書については後半は夢中になって一気に読みました久々に夜更かししてしまったな

人間失格

太宰 治 (Escrito por) Shinchosha (Casa editorial de) / 新潮文庫 2006年1月 (Fecha de lanzamiento) Edición de bolsillo (Formato) Novelas famosas。 巻末の解説によると作者の精神的な自叙伝であるという作者は本書を書き上げたのち、39歳くらいで亡くなったらしい僕は何気に本書を初めて読んだこういうストーリーだったとは知らなかった主人公の人生はなんとも悲しい主人公は自身を社会ののけ者と考える「昔僕もそんなことを考えていたなぁ」と思いながら僕は本書を読んでいったそれがとうとうヨシ子と幸せな生活を送るのかと思ったら悲劇が待っていたのだものな主人公は言う自分にとって「世の中」はやはり底知れずおそろしいところでした(第三の手記 p.105) 僕は願わくば平穏な人生を送りたいものだそして酒や女性に溺れるのはやはり良くないな。 sin embargo、ラストでの主人公の年齢がまだ27歳とは驚いたもう主人公はかなりの歳だろうと僕は思っていました退廃的な生活を送り生き急いで日々を過ごしたのだな

檸檬・冬の日他九篇

梶井 基次郎 (Escrito por) Iwanami Shoten (Casa editorial de) / 岩波文庫 1954年4月25日 (Fecha de lanzamiento) Edición de bolsillo (Formato) 11篇の短編が収められている本作者は31歳で夭折したらしい僕は初めてこの作者の本を読んだが文章は綺麗な表現で心を打たれるなと思った特に印象深かったのは表題作の「檸檬」「冬の日」それと「ある心の風景」「冬の蠅」とかかな「冬の日」では冬至の頃の太陽の情景について描かれている冬陽は郵便受のなかへまで射しこむ路上のどんな小さな石粒も一つ一つ影を持っていて見ているとそれがみな埃及(エジプト)のピラミッドのような巨大な悲しみを浮べている(冬の日 p.67) 太陽高度が低くなった冬の日光がうまく表現されているなぁなんとなく冬の日差しはせつない気分を感じさせる気がする青く澄み透った空では浮雲が次から次へ美しく燃えていった(中略…) 「こんなに美しいときがなぜこんなに短いのだろう」 彼はそんなときほどはかない気のするときはなかった燃えた雲はまた次つぎに死灰になりはじめた(冬の日 p.84) 冬の夕焼けの風景… その光景の一瞬の美しさが感じられる作者は夕日の光景がけっこう好きだったみたいだなだが「冬の蠅」によるとそれと同時に太陽に対する憎悪も持っていたという著者は病気で余命いくばくもなかったのだろうから生の幻影を持つという太陽にそのような正反対の感情を抱くことも理解できる気がする「ある心の風景」では小さい鈴の描写が鮮明な印象を僕に与えた人びとのなかでは聞えなくなり夜更けの道で鳴出すそれは彼の心の象徴のように思えた(ある心の風景 p.63) 雑踏では聞こえない鈴の音が静かな場所では鳴りだしその存在を認識させるそんな鈴が主人公の心の象徴だという私たちも人と一緒にいるより一人でいたほうが自分の意識をより強く感じるもんな生れてから未だ一度も踏まなかった道そして同時に実に親しい思いを起させる道(中略…) 喬(たかし)は自分がとことわの過ぎてゆく者であるのを今は感じた(ある心の風景 p.63) 「とことわ」とは永久に変わらないことという意味であるらしい自分は永遠であると同時に移り変わってゆく者であるという相反する気持ちを主人公は感じたみたいだなんともいい表現が続くなぁ… この作者の文章を僕はけっこう好きかもしれない。 El resto、なぜか主人公の名前として「たかし」と名付けられた人物が多かったが何故なんだろう。 Y、本書は短編集だがそれぞれの物語につながりが感じられる気がしたどの主人公も病気で療養中みたいだし解説に書かれていたが作者自身結核に侵されていて日々死の影と静かな絶望を感じていたようだそれが全ての作品を通して表されていたのだろうな