サイモン・シン (Written by) / 青木 薫 (Translation)
Shinchosha (Publishing House)
2016年5月27日 (Release date)
Hardcover (Format)
「ザ・シンプソンズ」というアメリカの大人気長寿アニメがあるらしい。
僕は興味はあるのだが見た事がないので何時か見てみたい気がする。
「フューチュラマ」なる姉妹作もあるようだ。
製作者にはナード(nerd)、ギーク(geek)な理系オタク?の脚本家がいて数学ネタがちりばめられているとか。
数学や物理学を専門に学んだ人がコメディーの脚本家になる事がアメリカではあるらしく、通じる似た要素があるみたいだ。
全般的にマニアックな内容だが、S10/E2の「エバーグリーン・テラスの魔法使い」のホーマーの最終定理の話、S9/E18の「ウィギーちゃん」の電卓の話など面白かった。
セイバー(アメリカ野球研究会)メトリクスについてはそうなんだと思った。
出てきたいろいろな語句をメモしておこう。
- シットコム(シチュエーション・コメディ)
- ポークビーンズ(白インゲンと豚肉をトマトで煮込んだ料理、缶詰)
- フルートピア(果汁入り清涼飲料水)
- ピエタ(磔刑後のキリストとそれを抱きかかえるマリアの像)
- バルカン人(「スタートレック」に登場する異星人、様々な特殊能力を有し非暴力平和主義者)
- 純粋数学の代表的分野とされる数論
- 非推移的サイコロ
- シンプソンのパラドックス、シンプソンの公式
- ユタ・ティーポット(CGソフトウェアデモンストレーション用の業界標準の形)
Related Posts
- Do not be fooled into betraying the intuitive mathematical "prejudice" mathematical thinking method 神永 正博 (Written by)Kodansha (Publishing House) / ブルーバックス2014年11月21日 (Release date)New book (Format) 直感では間違えてしまうような数学の題材がいろいろ取り上げられている本。僕の知らないことがたくさん載っていて、Interesting。数学の本はあまり読んだことがなかったからな。本書の内容は下のようなものだ。 第1章 直感を裏切るデータ 第2章 直感を裏切る確率 第3章 直感を裏切る図形 第4章 直感を裏切る論理 感覚的には章が進むにつれ、ちょっと難しくなっていったような気がしたが、僕は全体的になんとなくフィーリングで読み進んだ。 「シンプソンのパラドックス」、「ベイズの定理」、「コーシー分布」、「モンテカルロ法」、「ルーローの多角形」などなど他にもたくさん様々なテーマが載っていた。僕が特におもしろかったのは、「ベンフォードの法則」、「バースデーパラドックス」、「ポアソン分布」、「アークサイン法則」、「四色問題」、「連続体仮設」とかかな。 ベンフォードの法則とは、いろいろなデータの数字は先頭桁の数字が1であるものが非常に多く、2、3、…9と数字が大きくなるにしたがって頻度が下がるというものらしい。不思議だな。「一般化されたベンフォードの法則」は次式で表されるとか。 $$y=\frac { 1 }{ { x }^{ \alpha } }\tag{1}$$ And(1)式で、\(\alpha =1\)のときが、「オリジナルのベンフォードの法則」だという。 ポアソン分布とは、互いに無関係な事象が固まって起きやすく、またしばらく起きないこともあるという分布らしい。いろんな事故や天災にも当てはまるとか。これも不思議だ。 The rest、数学には本質的に証明があまりに長く、人間には全体を理解できない証明も存在するということも書かれていた。And、否定も肯定も証明不可能な命題も存在するらしい。However,、数学者は前へ進み続けるという。第4章の最後に書かれていた文章が印象的だった。 それでもなお、数学者が歩みを止めることはないでしょう。連続体仮設が示した、「否定も肯定も不可能な命題がある」という事実。This is、世紀の大難問に正面から立ち向かった、勇気と努力の結晶なのです。(p.237)
- The Life of Kappa and Ora-Akuma 芥川 龍之介 (Written by) Shinchosha (Publishing House) / 新潮文庫 1968年12月15日 (Release date) Bunko (Format) 本巻には表題の短編「河童」が収められている。 「河童」は次のように始まる。 これは或精神病院の患者、第二十三号が誰にでもしゃべる話である。 (p.66) ある男が河童の国へ行ってきたというのだ。 But、その男は今は正気を疑われて精神病院に入院している。 僕は本当に河童の国があったのかもと思って読んでいたが、終盤になると、河童の友達が持って来てくれたという黒百合の花束が存在しなかったり、電話帳を河童の国で出版された詩集だと言ったりと、状況が怪しくなってくる。 やっぱり河童の国なんてものはなく、この男は精神を病んでいたのだろう。 ファンタジーを現実と錯覚させるかのような不思議な魅力のある小説だった。 However,、このような小説を書くなんて著者の芥川龍之介も病んでいたんだなぁ。 昔は今みたいにいい薬もなかっただろうし、病気になると大変だっただろう。 著者は1927年に亡くなったとのことで、約90年前か。 現代社会では何かと精神が疲れることが多いが、昔から同じようなことはあったんだなと感じた。
- Ghosts Paul Auster (Written by) / Motoyuki Shibata (Translation) Shinchosha (Publishing House) / 新潮文庫 1995年3月1日 (Release date) Bunko (Format) ポール・オースターの小説。 彼の名を広めた「ニューヨーク3部作」の第2作目だという。 ストーリーは、とある私立探偵に奇妙な依頼が舞い込むというもの。 ある男を見張ってほしいというのだ。 But、その男は毎日何かを書き、読んでいるだけ。 だんだんと探偵は落ち着かなくなり、とうとう行動を開始する… 文庫で120ページくらい。 短いのでサクッと読んだ。 登場人物にブルーとかホワイトとかブラックとか色の名前がつけられているのが印象的だった。 最初読んだときは、ストーリーがちょっと分からなかったのだが、巻末の解説を読んでよく分かった。 解説は大事だな。 ホワイト/ブラックもおかしなことを考えるものだ。 自分が生きているあかしとしてブルーを必要としたようだが、孤独だったのかな。 途中で1度だけ登場した女性とも別れたのだろうか。 それにしても、巻き込まれたブルーの怒りはもっともだと思った。 ドッキリじゃないんだから、こういう奇妙なことはやめてもらいたいよな。 ブルーは前向きで強い性格の持ち主だったから、不安な状況にもまどわされることがなかったのだろう。