三田 誠広 (Written by)
Shueisha (Japan) (Publishing House) / Shueisha Bunko
2000年6月25日 (Release date)
Kindle version (Format)
ワセダ大学小説教室シリーズの第3弾。
ようやく全部読んだ。
本書が完結編らしい。
小説を書く上で日本文学史から学ぶべきさまざまな知識のエッセンスが凝縮された本とのこと。
僕は日本文学をあまり読んでこなかったので、この本はためになった。
戦前、戦後派、第三の新人、内向の世代、戦後生まれ世代など、いろいろレジェンドな作家がいるのだな。
それぞれの作家の代表的な作品と作風、背景が手軽に分かったような気がする。
前著、前々著でも著者が述べていたが、小説を書く際の大事な考えは「切実さ」と「対立」ということみたい。
なるほどな。
僕は本好きだが、何かの本に書かれていたように、ただ読んでばかりではインプットばかりでつまらない気もする。
何かしら創造したいものだ。
Related Posts
- Waseda Sankyoseiki Hideyuki Takano (Written by) Shueisha (Japan) (Publishing House) / 集英社文庫 2003年10月22日 (Release date) Kindle version (Format) 著者の自伝的小説。 1990年代の学生時代に三畳一間、家賃月1万2千円のワセダのアパート「野々村荘」で暮らした約11年間の物語だという。 登場人物は、野々村荘の住人や探検部の部員たちなど変わった人ばかりだ。 彼らのいろいろなエピソードが語られていて、Interesting。 後半、ケンゾウさんとかケガワ君の話に少し悲哀を感じたが、みな無事に野々村荘から旅立つことができてハッピーエンドかな。 それにしても三畳間の、狭くてプライバシーがないような場所で生活できるのはすごい。 学生の頃の僕は濃密な人間関係が苦手だったので、こういう青春は送れなかったろうな。 まぁ今になっては、にぎやかで楽しそうであるとも思った。
- [Color version] Opium Kingdom infiltration Hideyuki Takano (Written by) Shueisha (Japan) (Publishing House) / 集英社文庫 2007年3月25日 (Release date) Kindle version (Format) 1995年に、ミャンマー北部、反政府ゲリラの支配区・ワ州で7ヶ月暮らしたという著者のルポルタージュ。 そこはゴールデン・トライアングルと呼ばれるアヘンの麻薬地帯だという。 著者は小さな村に暮らし、ケシ栽培に従事する。 この著者の本にはどこかコミカルな印象を持っていた僕だが、本書は真面目な内容だった。 (まぁ、後半部分で著者がアヘン中毒になりかけていたりしたが…) 「招き猫」敬礼をする村人たちとの別れの場面にはウルっとくるものがあった。 文庫版あとがきで、著者はこの本が自分の「背骨」と呼ぶべき仕事であると言う。 Also、あとがきでは調査・取材、執筆は7年に及んだと書かれていた。 すごいものだ。 著者がお世話になった方で鬼籍に入られた方たちもいるという。 高野氏自身もマラリアに罹ったり、命の危険を感じる場面に何度も遭遇する。 あらためて、本書の重みを感じられる。 本書を読んで、アジアに住んではいるが、僕はアジアのことを全然知らないなと思った。 各国には様々な歴史的背景があり、現在も複雑な事情を抱えているのだなぁ。
- How to write a deep and delicious novel - Waseda University Novel Class 三田 誠広 (Written by) Shueisha (Japan) (Publishing House) / 集英社文庫 2000年4月23日 (Release date) Kindle version (Format) ワセダ大学小説講義録シリーズの第2弾。 本書は第1弾に続く上級編らしい。 深い作品を書くには理論が必要だと著者は言う。 サルトルの実存の話や、レヴィ=ストロースの構造主義の話、物語構造の話、ドストエフスキーの小説の話などが語られた。 僕が知っていることも多くて、昔読んだ本を思い出したりしたが、深くておいしい小説を書く際にためになることもいろいろ書かれていた。 勉強になるな~ また、南米出身の作家ガルシア=マルケスの「百年の孤独」という本が取り上げられていた。 僕は読んだことがないのだが、おもしろいらしい。 ラストに本シリーズの第3弾も読むか~