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ユリイカ 2017年11月号

ユリイカ 2017年11月号 特集=スティーヴン・キング ―ホラーの帝王―

スティーヴン・キング (著), 恩田陸 (著), 風間賢二 (著), 広江礼威 (著)
青土社 (出版社)
2017年10月27日 (発売日)
ムック (形式)

僕の趣味の話になるのだが、現代アメリカを代表する小説家・スティーヴン・キングの特集号を読んだ。
1970年代のモダンホラーのよく知られている作家だ。
近年はスティーヴン・キング作品の映像化ラッシュだったという。
僕は高校生、大学生の時、この著者の作品を割と読んでいたのだ。
読んでいない作品も沢山あり、さほど詳しいわけでもないのだが、本書によると、著者の作品はキング節という”感情の渦”、プロット進行の遅さや各登場人物の詳細な描写が特徴と書かれていた。

最初に小説家の恩田陸と翻訳家の風間賢二の対談が載っている。
「IT」がキングの最高傑作という人もいれば、「ザ・スタンド」を挙げる人もいるらしい。
僕は「IT」を支持したいな。
登場人物の子供の頃と大人になってからが交錯しながら描かれていて、ラストの少し哀愁を帯びた感じがいいと思うのです。
「ザ・スタンド」はスチューとフラニーだけ助かり、ニック、ラリー、グレンとかが亡くなってしまって。
そしてボリュームがあって本が長いんだ。(「IT」も長いけども)
対話にあるが、確かに「ファイアスターター」とか「ランゴリアーズ」も面白かった。
著者の作品はメイン州のデリーという架空の街が舞台になることが多かったりするが、スモールタウンをアメリカの縮図として書くというのは文学的な伝統でもあるという。
あと、アメリカは国土が広いのだな。

風間 『呪われた町』もスモールタウンのお話ですが、どんどん住民が吸血鬼になっていってどうして気づかないの?と思うんだけれど、実際に現地にいってみると家と家がものすごく離れていて、他人の家庭内でなにかあっても誰も気がつかない。これじゃどんどん感染していくよなと。
(p.34)

これはちょっと怖い。
よく分からないけど、僕的にはUFO神話にも同じ背景があるような気がする。

スティーヴン・キングの作品は、アメリカ文学史上では、リアリズム的風土のもとで書かれたゴシック小説として、登場人物の内面の反映としての恐怖という新しさを持つみたい。
ゴシック小説とはイギリスが発端の「超自然的な怪異がもたらす恐怖小説」とのこと。
その他、〈ダークタワー〉サーガについても書かれていた。
僕が本作を読む日は来るのだろうか。
長いからなぁ…、でも面白そうだ。
日本版の装画を多く手がけている藤田新策さんのインタビューもあった。
fearよりもtear、基本的な構造、キングチルドレン、チャンドラー党、音楽等勉強になるな。

本書の書き手の人たちは「デッド・ゾーン」をよく紹介している気がする。
また、「ペット・セマタリー」はとても怖そうだ…
僕はどちらも未読で、さらに未視聴だが「一四〇八号室」は映画になったのだな。
それ以外にストリーミング・コンテントの話題はためになった。
スティーヴン・キングは1999年に自動車事故に遭って瀕死の重傷を負ったらしく大変だったようで、現在72歳か~。
長生きしてもらいたいですね。
特集とは関係ないが、中村稔の連載も興味を持って読んだ。
他にキングの作品でどれが好きかと聞かれると、内緒〜

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