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ヘッジファンド 世紀末の妖怪

ヘッジファンド 世紀末の妖怪

浜田 和幸 (著)
文藝春秋 (出版社) / 文春新書
1999年1月20日 (発売日)
Kindle版 (フォーマット)

1999年に発売された本。
18年前か。
当時のアジア経済に大打撃を与えたというヘッジファンドについて書かれている。
ヘッジファンドとは個人あるいは組織からハイリターンの約束のもとに巨額の資金を預かり、世界を舞台に投機を行う国際的な投機集団のことだという。

本書で主に取り上げられているのは、「クォンタム・ファンド」を率いるジョージ・ソロス氏について。
欧米の投資銀行や資産家から得た資金を運用して、ものすごい大儲けをするらしい。
特に英国系の銀行とはつながりが深いみたい。
アメリカの政府高官ともつながりがあるという。
欧州の銀行からヘッジファンドに、海外マーケットに関する極秘の戦略情報が流されているという噂もあるとのこと。
ヘッジファンド同士は裏で結託し、一国の経済に大打撃を与えるほどの通貨戦争を仕掛けるみたい。

そこで出てくる金融取引がデリバティブというもの。
デリバティブとは金融派生商品のことで、いろいろな金融商品を複雑な計算によって組合わせ、リスクをヘッジ(回避)して損失が出ないように設計された金融商品だという。
レバレッジ(てこ)を効かせて自己資金の何倍もの金額の投資を行う。
その分、失敗するとものすごい損失が出てしまうらしい。

アメリカでは冷戦後、製造業よりも金融分野に力を注いだ。
モノを生み出さないで、マネーからマネーを生むという経済活動をしてきたのだという。

僕の知らないことばかりでおもしろかった。
ちゃんと、起こっていることの背後にある意味を読みとらないといけないな。

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