六月の長い一日
フランスの作家の作品。
ストーリーは年老いた主人公のルネ・ラングラードが、女友達のローリス・ファリレエフとともに、友人だったシモン・ファーブル=レスコーのことを回想するというもの。
名門出でお金もあるシモンはだんだんと没落していき、姿を消してしまった。
アフリカに向かったという噂を残して。
シモンの人生を彩った女性たちがルネたちの記憶の中から現れては消えていく。
訳者あとがきにまとめられているものが要約として分かりやすかった。
フランスでの第二次世界大戦直後の高揚感とその後の日常生活の虚ろさ。
シモンはとうとう何も成し遂げられなかったのだろうか。
そしてシモンの人生をリライトしているだけなのではないかと自問する主人公のルネ。
ルネは自身の挫折感と冷淡な性格にときおり押しつぶされそうになるという。
この前読んだグルニエの作品でも老年期に入った主人公が自分の人生を振り返っていた。
将来後悔しないように今を生きないといけないな。
主人公のルネと友人のシモンは小説家になると言っていたが、結局作品を書き上げることはできなかった。
人生はあっという間なんだな。
僕も酔生夢死などとならないように、やりたいことには積極的にチャレンジしていこうと思った。