間違う力
辺境作家ならぬノンフィクション作家を標榜する著者の本。
若者やサラリーマン向けだそうで読んでみた。
本書では作者直伝の10の標語について書かれている。
「身近にあるものを無理やりでも利用する」、「過ぎたるは及ばざるよりずっといい」などだ。
参考になった。
私のスローガンとしては「自動車は乗らない方がいい」というものがある。
何故か?危ないからだ。
グレートギャツビーで「20世紀は自動車の時代である」と言われた内燃自動車。
車の影響でどれだけの死傷者が出たのか。
仲本工事氏の冥福を祈る。
著者は探検部出身であるが、私は障害者世界の探検を彼に提案したい。
私には視覚障害者の知り合いがいる。
人は情報の90%を視覚に頼っている。
視覚障害者の世界はまさに暗黒世界、未知の場所が広がる未開の地なのだ。
例えば、こんな挿話がある。
視覚障害者はDJの格好をするというものだ。
「えっ、視覚障害者はクラブで音楽をかけるの?」と思う人が多いかもしれない。
いや、SEKAI NO OWARIのDJ LOVEの真似をするのである。
DJ LOVEはヘッドホンを肩越しに当てて音を聞く。
障害者の彼女はステレオを肩越しに当ててラジオを聞くのだ。
まさにDJそっくりなのである。
他にも道路を歩いていると点字ブロック一筆書きをするという。
点字ブロックを歩いてぐるりと回り、最初の位置に戻る。
目の見えない人が長い距離を歩くのは難しいと思う。
しかし彼女は交差点で曲がり、同じ方向に曲がる事を繰り返し、スタート地点に戻ってくるというのだ。
視覚障害者の世界の面白さが分かってもらえたと思う。
書者の本は破天荒で面白い。
まず、街中で声をかけられる。何か「おいしい話」があるから一緒に行こうといわれる。たいてい、もう日が暮れて、暗くなっている。
(第6条 電子書籍のためページ数不明)
作者の経験が話される。
筆者はこれを旅の思いという。
私は旅先で物寂しい思いを感じる。
それと似たようなものなのだろう。
知った地域ならば土地勘が働くが、知らぬ場所に行くと不安になるものだ。
私はそういう時、後ろを振り返る。
通行人が目を逸らしたりすると危なくなってくるだろう。
後をつけてくる物取りかもしれない。
最近は日本も物騒になってきている。
私は日本の道を歩いている時でも、はっと後ろを振り返ることがある。
ゆめゆめ気をつけよう。