聖火
第一次世界大戦後の英国上流家庭。事故で半身不随となりながらも快活に振る舞うモーリスがある日謎の死を遂げる。
果たして死の真相は。
ミステリー仕立ての戯曲。
面白かった。
短編劇でサラリと読めた。
愛について考えた。
人生と愛の真実ということだが、浮気人物が多いのではないかと言う印象を受けた。
モーリスは孤独だった。
タブレット夫人はギャルみたいなものだ。
本書のような観念は1920年代のビクトリア女王時代には珍しかったと言う。
アバンギャルドな感じなのだな。
本作の題名は詩人コウルリッジの民謡詩「愛」の第1連にある言葉による。
「この体を奮起させる/あらゆる想い、憧れ、喜びは/愛に仕える司祭なり/聖火の油なり」というらしい。
日本で聖火というと社にある火であろう。
新年に境内で灯される火を思い起こす。
お焚き火、またはどんど焼き、庭火というらしい。
古い縁起物を焼き、体を温めるものだ。
油と呼ばれるものはあまり存在しないな。
行灯は油を使うけれども。
菜種油が歴史上重要な役割を果たしたのではないだろうか。
きのうの世界と言う小説に焚き火の神様となる存在が存在した。
あれは何だったのだろう。