逆問題の考え方 結果から原因を探る数学
逆問題について書かれた数学の本。
原因から結果を予測するのが順問題で、逆に結果から原因を探るのが逆問題だという。
逆問題の哲学は現象から自然を探ることにあると著者は言う。
ギャグが多用されて話が進められていくが、内容はなかなか難しい。
行列の連立1次方程式という線形代数の分野があったり、恐竜絶滅の原因を探る生物学?に話が及んだり、プランクのエネルギー量子発見についての理論物理学の分野が紹介されていたりする。
他にも海洋物理学や量子力学の分野について述べられていたりと様々なテーマにおける逆問題が、実際に計算式を示しながら説明されてゆく。
僕はよく分からない部分もあったが、感覚で、そういうものなのかと式を流し読みしながらパラパラと読み進めていった。
あとがきで著者は次のように述べている。
現代科学において、逆問題の発想は仮説を法則や原理へと昇華させるために初期のそして重要な段階で、決定的な役割を果たしてきた。そう見るべきであろう。
(p.259)
逆問題という用語も概念もまだ生まれていなかった過去においても、科学者は模索から生じた仮説に基づく逆問題を解くことによって理論を先へ進めてきたみたいだ。
なるほどな~。
僕ももっと勉強しないとなと思いました。