中村 希明 (著)
講談社 (出版社) / ブルーバックス
1988年7月20日 (発売日)
Kindle版 (フォーマット)
精神科医である著者が、怪談を精神医学の立場から科学的に説明した本。
多くは幻覚、幻聴で説明できるらしい。
高速道路催眠現象(ハイウェイ・ヒプノーシス)が第1の例として挙げられていた。
正常な人でも感覚遮断や孤立状態で幻覚を見るという。
その他にも、極限状態が生む幻覚や、睡眠とかかわる幻覚、アルコールの影響、異境の地の影響などがあると書かれていた。
古い本だが、おもしろかったな。
著者は古今東西のいろいろな体験談や物語を例に出して、自身の論を進めていっていた。
博識だなぁ。
あと、名作文学は精神医学からみても矛盾のない心理的真実性、心理的現実性を持つという。
そのような真実味、あざやかな印象が名作といわれるゆえんなのだろう。
関連投稿
- 十角館の殺人 綾辻 行人 (著)講談社 (出版社) / 講談社文庫2007年10月16日 (発売日)Kindle版 (フォーマット) 初めてこの著者の作品を読んだ。読みやすくて集中して読んだ。孤島の館、十角館を…
- 進化のからくり 現代のダーウィンたちの物語 千葉 聡 (著)講談社 (出版社) / ブルーバックス2020年2月13日 (発売日)Kindle版 (フォーマット) ダーウィンフィンチはダーウィンの進化の研究で重大ではなかった。進化に関わるプロセ…
- 怪獣記 高野 秀行 (著) 講談社 (出版社) / 講談社文庫 2010年8月12日 (発売日) Kindle版 (フォーマット) トルコ東部のワン湖に棲むと言われる謎の巨大生物ジャナワールを調査に行く筆者。…